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「対象」はこう訳す①

2021.10.28

update 2022.11.25

今回の日本語表現は、『対象』です。

「対象」という言葉は、書き言葉、話し言葉問わず、どんなシチュエーションにおいても使えるとても便利な日本語です。「対象」というだけで、「何に対してそれが向けられているか」が伝わりますよね。しかし、英訳する場合には、「対象」がどのような意味やニュアンスを持つのかきちんと理解しないと、文脈にそぐわない文章になってしまいます。


そこで今回は、「対象」を使った文章の英訳3例をご紹介します。

(1)「2万円以上お買い上げいただいたお客様を対象に、1000円分の商品券をプレゼント致します。」
Customers who purchase products amounting to 20,000 yen or more are eligible to receive a gift card of 1,000 yen.
● eligible to = ~の資格がある
「~することができる」対象というニュアンスの場合には、eligibleがよく使われます。「対象者」という書き言葉の場合は、Eligibilityと一言で訳すこともできます。

(2) 「社会保険の加入対象は、所定労働時間が週30時間以上の労働者です。」
Employees who work at least 30 hours a week shall be covered under social insurance.
● be covered under = ~が適用される
coverは、法律や制度、規制などが「適用される」という意味があります。文脈によっては、coverと同じようにapply toを使うこともできます。

(3) 「煽り運転は、危険な行為の上、重大な刑事処分の対象となりうる。」
Tailgating is not only dangerous, but is also subject to severe criminal punishment.
● be subject to = ~を受ける、課される
対象の訳にsubjectを使う場合、受け身的なニュアンスを与えます。subjectを名詞で使うこともでき、この場合もsubject of research 「研究対象」(研究されるもの)、subject of investigation 「調査対象」(調査される人、もの)とやはり受け身的なニュアンスが含まれます。

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