ネイティブスピーカーにように英語を理解して、スラスラと話せるようになったら、世界は格段に広がります。
洋画やドラマで楽しみが増えるといった趣味レベルの話ではなく、仕事や学業といった点で国際的なキャリアが選択肢になるなど、あなたの人生そのものを変えてしまうかもしれません。
そして、何より、ネイティブスピーカーのように英語を話す人をみると、憧れてしまいますよね。
でも、実際にネイティブスピーカーになるのってどのくらい大変なのでしょうか。
今回は、そんな英語ネイティブスピーカーになりたいあなたに向けた記事です。ぜひ、最後までお読みください!
目次
1. ネイティブ英語に近づくのが難しい3つの理由
まずは「ネイティブ英語」に近づくのがどれほど難しいものなのか、なぜ大変なのかについて3つの理由を解説します。
1.1 圧倒的な語彙力が必要だから
まず1点目に、圧倒的な語彙力が必要となります。
下記の表をご覧ください。
一般的な日本人の英語学習者(高校卒業レベル) | 3,000~4,000語程度 |
TOEIC®L&R 990 | 10,000語程度 |
英検一級 | 15,000語程度 |
日本人通訳者 | 15,000~20,000語程度 |
ネイティブスピーカー(高校卒業) | 20,000語程度 |
ネイティブスピーカー(大学卒業) | 40,000語程度 |
ネイティブの大学教員 | 70,000語程度 |
存在する全ての英単語 | 700,000語程度 |
こちらはパッシブ・ボキャブラリー(読んだり聞いたりして理解できる語彙)についてまとめた表です。
語学のプロと呼ばれる通訳者の方で、15,000~20,000語程度の語彙力を持っていると言われていますが、それでも大卒のネイティブスピーカーには到底及ばないことがわかります。
やはり、ネイティブレベルと呼ばれるためにはかなりの語彙力が必要ですね。
1.2 正しく使いこなせる豊富な語彙力が求められるから
2点目に、正しく使いこなせる語彙力も多く求められます。
パッシブ・ボキャブラリーに対し、書いたり話したりといったアウトプットに使える語彙をアクティブ・ボキャブラリーといいますが、アクティブ・ボキャブラリーでも豊富な語彙力が求められます。
たとえば、下記の日本語を見てみてください。
「ピンキリの英語サービスの中から、うまいこと自分にぴったりのを見つけ出すのは至難の業ですよね。」
この文章を日本語を学習している外国人が発言したらあまりの流暢さにネイティブレベルと感じると思います。「ピンキリ」や「うまいこと」という口語表現、「ぴったり」という副詞、「至難の業」という慣用句の意味を理解しているだけでなく、正しく使いこなして表現できています。
簡単にいうと、ネイティブ英語を話すというのは上記のようなイメージで、教科書や参考書に載っているような単語だけでなく、口語的な表現や慣用句など幅広い語彙力を流暢に表現することが「ネイティブレベル」の英語と考えることができます。
ちなみに、上記の日本語と同じ意味をネイティブスピーカーが英語で表現すると下記の文章になります。
Finding the best English service for yourself is as difficult as finding a needle in a haystack.
こんな文章をさらっと表現できる方はネイティブレベルといってよいかもしれません。
1.3 日本語と英語は言語学的に違いが大きいから
三つ目の理由は、日本語と英語は言語学的に違いが大きい言語であるということです。
「私は・できなかった・食べる・ご飯を・なぜなら・私は・働いた・遅くまで」
これは英語の語順に日本語を当てはめた場合の例文です。英語を学習し始めたときに、日本語と全く違う語順に戸惑った経験がある方も多いと思います。
日本語と英語は大きく違うということは感覚的にわかりますが、理論的にも英語と日本語は言語として大きく異なることが証明されています。
米国国務省が発表した言語習得難易度ランクというものがあります。これは、英語と比較して、各言語がどれだけ離れているか(言語間距離)に基づいて各言語の習得難易度を5つのグループに分けてランキングしたものなのですが、日本語はアラビア語、中国語、韓国語と並んで最も英語と離れている言語群のグループ5に分類されています。
日本語と比べて韓国語の発音の仕方のほうがまだ英語に近いなど、同じグループ5の言語群の中でも細かい差異があり、このような点を考慮すると、グループ5の中でも日本語は特に英語とかけ離れている言語といえます。
2. 日本人英語とネイティブ英語の5つの違い
次に、日本人が話す英語とネイティブスピーカーが話す英語における5つの違いについて解説します。
2.1 単語のチョイスが違う
日本人とネイティブスピーカーが選ぶ単語のチョイスに1つ目の違いが挙げられます。
例文を通じて、日本人が好んで選ぶ表現と、実際のネイティブスピーカーが使う表現の違いをみていきましょう。
「これはとても難しい」
日本人学習者:It is very difficult.
ネイティブスピーカー:It’s really tough.
ネイティブスピーカーは It is のような短縮できる箇所は通例、音としても、文字としても、短縮形で表現します。短縮できる箇所をしないと、不自然に強調しているような印象があるからです。また、very difficult はやや稚拙な言い回しです。
「時間をとってくれてありがとう」
日本人学習者:Thank you for taking time.
ネイティブスピーカー:Thank you for your time/Thank you for taking your time out of your busy schedules.
「時間をとってくれて」をfor taking time とそのまま英語にしてしまうと「ゆっくり時間をかける」という違う意味になってしまいます。
「これが私の意見です」
日本人学習者:My opinion is this.
ネイティブスピーカー:Here’s what I think.
もの is this. という表現は不自然で一般的ではありません。また、what I think というような what を用いた名詞的用法も日本人スピーカーがよく使う表現ではないのですが、ネイティブスピーカーの会話では頻発する表現です。
日本人学習者の話す英語は文法上は間違っていません。ただ、日本人には自然に聞こえる英語がネイティブスピーカーには不自然に聞こえてしまい、ネイティブスピーカーが使う英語と異なっているということが多くあります。
2.2 使うフレーズが違う
次に、ネイティブスピーカーはネイティブならではのこなれた表現を使います。
・Bring the table
・Open the floor
・Put you on the spot
・Jump right into it
・water-cooler talk
5つ中、何個のフレーズを知っていたでしょうか。これらはネイティブ圏では頻出する表現なのですが、実際に日本の英語教育環境ではなかなか目にすることがないような表現です。
単語レベルだけではなく、フレーズレベルであっても、その選択に日本人とネイティブスピーカーでは違いがあるのです。
2.3 文章の洗練度が違う
3つ目の違いは、文章の作り方です。
英語は無駄な情報がなくシンプルな文章が好まれますが、日本人学習者が作る英文は冗長であったり、表現が重複する傾向があります。
「営業戦略を改善する必要があるのは、現在の戦略では十分な効果が得られないからだ。」
The reason why we need to improve our sales strategy is because our current strategy is not effective enough.
上記の文章はもちろん英語として正しい文章で日本語に忠実ですが、ネイティブスピーカーは下記のようなシンプルな表現をします。
We need to improve our sales strategy because it’s not effective.
日本人学習者が作成した文章は
・The reason why ~という構文を使っている
・The reason why~とbecause~で意味が重複している
・代名詞を使わずour current stragetyと再び表現している
・日本語をそのまま英語にしているので「十分な」という部分をenoughと訳出している
といった点から、ネイティブスピーカーの話す文章と比べて冗長な文章になっています。
特に日本人の場合はThe reason why~など文法や構文の暗記に学習の比重が大きく置かれていることや、日本語そのものが間接的で文章が長くなりやすい特徴から、英文も冗長になりやすい傾向があります。
2.4 コミュニケーションの取り方が違う
4つ目の違いはコミュニケーションの取り方です。
コミュニケーションには、言葉そのものに重きを置く「ローコンテクスト文化」と言葉の外に重きを置く「ハイコンテクスト文化」があります。
日本は世界の中でも一番と言われるほどのハイコンテクスト文化です。ハイコンテクストとは言葉そのものではなくその言葉が発せれた状況や言い方で意味が変わるようなコミュニケーションの取り方で、「暗黙の了解」「空気を読む」「行間を読む」と形容されることもあります。
言い方や状況によって「大丈夫です。」が①問題ない②不要であると全く違う意味を指すことは、日本人の私たちには驚きではありませんが、ローコンテクスト文化では通用しないコミュニケーションです。
そのため、間接的・婉曲的な表現が好んで使われますが、英語ではむしろその逆で、ローコンテクストな言語です。直接的かつ具体的な表現を通じて、誤解の生まれないコミュニケーションが好まれます。
このようなコミュニケーションの取り方の違いが、日本人学習者とネイティブスピーカーの話す英語の違いにつながっています。
2.5 発音が違う
5つ目の違いは発音です。発音が苦手と感じる英語学習者も多くいらっしゃると思いますが、日本語と英語の発音には多くの違いがあります。
まずは母音です。日本語の母音はあ・い・う・え・おの5音ですが、英語の場合は
・短母音(例: /ɪ/, /ɛ/, /æ/, /ʌ/, /ʊ/)
・長母音(例: /i:/, /eɪ/, /aɪ/, /oʊ/, /u:/)
・二重母音(例: /aʊ/, /ɔɪ/, /eə/ など)
と約12の母音音素があります。(方言やアクセントによって異なります。)
また、ネイティブスピーカーの発音には「リエゾン(単語と単語の音がつながり)」や「音の滑落」などが多くあります。
例えばa lot ofは「アロブ」のようにつながって発音されることがあり、「ア ロット オブ」という日本人が文字を見てイメージする発音とは大きく異なっています。
3. ネイティブ英語に近づくための3つの方法
もちろん100%ネイティブスピーカーになるというのは難しいのですが、それでもコツコツと学習を重ねていけばネイティブスピーカーのような英語を身に着けることができます。
結論、1章、2章で解説したネイティブスピーカーとの違いをなくしていけば、ネイティブスピーカーの英語に近づくことができます。
本章では、そのために取り組みたい3つの方法について紹介していきます。
3.1 自分の推しを通してボキャブラリーを強化する
ボキャブラリーの増やし方は、極論、英語で読み聞きする機会を増やすということになります。
ただ、いきなり英字新聞を読んだり、海外のラジオを聞いたりしても、内容が分からなければ学習効率が悪くなり、継続するのも難しくなります。
そこでボキャブラリー強化でおすすめなのが自分の推しから英語の世界を広げるということです。
推しはどんなものでも構いません。スポーツやエンターテインメントはもちろん、釣りや山登りなどのアクティビティやコスメなど、これだったらよく知っているというものであればなんでも大丈夫です。
その推しをWikipediaの英語版を使って調べてみます。好きでよく知っていることは、多少分からない単語や文法があっても推測して理解していくことができます。このようにして、自分の関心度が高いことから新しいボキャブラリーを増やしていくことができます。
仕事で英語を使う必要がある人は、自分が働いている業界や職種について英語の記事を読んでみることもおすすめです。
3.2 ネイティブらしい洗練された文章は英作文で磨いていく
ネイティブらしい文章を作れるようになるためには、まずアウトプットをして、それをネイティブにフィードバックしてもらうという経験が必要になります。
ここでおすすめなのが英作文です。英作文は、英語で表現する力を高めるための非常に効果的な方法です。自分で文章を作り、それを推敲していく過程で、文法や語彙、表現の正確さだけでなく、自然な言い回しや流れを意識することができます。さらにそれをネイティブにフィードバックしてもらうことで、徐々にネイティブらしい英文のイメージが持てるようになってきます。
弊社テンナイン・コミュニケーションが運営するOne Month Programでは、ビジネストピックについての英作文トレーニングに取り組むことができます。計24回分の英作文の課題を、ビジネスパーソンへの英語教授歴10年以上のネイティブ講師陣が添削し、詳細なフィードバックを日本語でお返しします。
例えば下記のような添削のフィードバックが得られます。
「売上は2019年に記録した水準に戻り、それは良いことだというのが私達の結論だ。」
作成した英文:It is our conclusion that sales will revert back to the levels that we recorded in 2019, which is very good news.
添削後の英文:Fortunately, we conclude that sales will revert to 2019 levels.
解説:「~というのが結論です」という部分は日本語では自然に聞こえますが、これを直訳的に表現すると冗長で回りくどく聞こえる英語になってしまいます。英語では「主語+動詞」がその文の意味を作ると言われるほど重要な要素であるため、添削ではWe conclude…とWeを主語にすることで簡潔な文章にすることができます。
3.3 シャドーイングで発音を磨く
ネイティブらしい発音を身に付けるにはシャドーイングが最適です。ご存じの方も多いと思いますが、シャドーイングとは「聞こえてきた英語をそのまま英語で再現するトレーニング」です。
シャドーイングを行う上で重要な点は、「聞こえてきた音声をよく聞く」ことです。なんてことないように思えますが、音声を聞くことよりもとにかく音源についていくことに必死でただ早口で英語を話してしまっているというケースが非常に多くあります。
さらにシャドーイングを効果的に行うコツは、自分の声を録音してみることです。自分の声を聞いてみると、音源の発音とは全然違うと感じる人もいるかもしれません。最初の方は自分の声を聞くのは恥ずかしく感じますが慣れると何とも感じなってきますので、ぜひ試してみてください。
▼シャドーイングについての詳しい説明はこちら
https://www.ten-nine.co.jp/englishmedia/pickup/1224/
4. ネイティブレベルの英語を身につけるならOne Month Programがおすすめ!
One Month Program(ワンマンスプログラム)は通訳エージェントのテンナイン・コミュニケーションが運営する、最短1か月でビジネス英語のネイティブレベルを目指すプログラムです。
One Month Programでは、ディクテーション・シャドーイング・英作文という3つで1セットの課題×28日分とネイティブとのマンツーマンレッスン×8回を通して、ビジネスで通用する実践的な英語力を磨いていきます。
受講者はTOEIC800以上の上級レベルに位置する英語学習者が中心で、提出課題に対する詳細なフィードバックやネイティブ講師のレッスンの質の高さに定評があるプログラムです。
4.1 コンテンツはすべてリアルなビジネスシチュエーションに合わせたオリジナル教材
テンナイン・コミュニケーションで提供する通訳や翻訳はすべてがビジネスに関連するものです。金融、IT、医療、メーカー、コンサルティングなど、これまで対応してきた職種は30以上。同時通訳者はそれら独自の英語や表現にとても精通しています。One Month Programではそれらの知見を活かして開発したオリジナルのビジネスコンテンツを使用するので、無駄な英語は一つもありません。学んだことは翌日から実践で使うことができます。
これらのオリジナルコンテンツを使用した「シャドーイング」「英作文」「ディクテーション」は1日ごとに内容が決まっています。そのため迷うことなく1日1日効率的に学習を進められます。
4.2 オンラインレッスンは欧米系講師とのビジネス現場を想定したロールプレイ
オンラインレッスンを担当するのはいずれもビジネス英語経験5年以上の欧米系のネイティブ英語講師です。一般的な言い回しや表現ではなく、ビジネスにふさわしい英語を学ぶことができます。ほとんどの講師が日本語も理解できるのでどうしても困った場合は日本語での質問もできます。
また、One Month Programの最上級コースMasterコースではグローバル会議や交渉の場を想定した講師2名によるロールプレイ形式のレッスンを行います。通常のマンツーマンとは違い、講師2名が話す早口の英語を聞き取りながら自分の意見を言うという他のプログラムにはないとても難易度の高い実践的なレッスンです。
4.3 日本人トレーナーとネイティブ講師によるきめ細かなフィードバック
One Month Programには日本人トレーナーとネイティブ英語講師が英語学習をサポートしてくれます。シャドーイングや英作文の課題はネイティブ英語講師が添削した後、トレーナーが解説を日本語で加えてくれるので自分の間違いのポイントを深く理解することができます。
また、学習期間中は英語への質問だけでなく、学習の仕方や時間の捻出方法、あるいは翌日に迫ったプレゼンへのアドバイスや英語面接前の気を付ける点などあらゆる英語の困りごとに対してサポートしています。
まとめ
本記事ではネイティブスピーカーの英語に近づくために知っておくべきことや取り組みについて解説してきました。英語ネイティブスピーカーになるというのは決して簡単なことではありません。しかし、適切な学習アプローチをとり、こつこつと学習を続けていくことで、ネイティブスピーカーらしいスムーズさを持った英語を使うことができるようになります。
Writer
One Month Program
グローバルで活躍できる人材のための英語情報を発信します。
ビジネスに特化した1か月の超短期集中英語プログラム
https://www.ten-nine.co.jp/onemonthprogram/
運営会社:【通訳・翻訳・英語教育】テンナイン・コミュニケーション
https://www.ten-nine.co.jp/