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【通訳者が解説】英語が速くて聞き取れない理由と対策!

2024.09.19

update 2024.10.25

「英語が速すぎて聞き取れない」

英語学習者であれば誰もがこのように感じた経験があるのではないでしょうか?
たしかに、英語ネイティブの話すスピードは速い場合が多く聞き取りの妨げになっていると言えます。

しかし、本当に速いことだけが原因でしょうか?
スピードが速いことによって聞き取りにおいてどのような負担が増えているのでしょうか?

今回は英語が聞き取れない本当の理由とリスニング力アップに効果的な学習方法を徹底解説していきます!

1. 英語が聞き取れない本当の理由は「意味のまとまり」が理解できていないから

結論からお伝えすると、英語が聞き取れないのは英語ネイティブの会話は「意味のまとまりを理解するには速すぎる」ことが原因です。

具体的にどのようなことか解説していきます。

1.1 「意味を理解するには速すぎる」ことが根本的な問題

「ネイティブスピーカーの英語が速い」というのは、かみ砕くと「意味を理解するには速すぎる」ということではないでしょうか。

英語の教材や英会話レッスンでは言っていることが分かるのに、実際に英語ネイティブと会話をするとスピードが速すぎて英語が聞き取れなくなると感じる方も多いと思います。

音声教材や先生が話す英語がゆっくりで聞き取りやすいのは、学習者が聞きながら意味を理解できる速度に調整されているためです。逆に、自分の専門分野やよく知っていることについては多少早く話されても理解できると感じたこともあると思います。

このように書くと当たり前のことのように思えますが、シンプルでありながら重要な点は、聞き取れないのは「音」だけではなく「理解力」にも問題があるという点です。

というのも、効率的にリスニング力向上のためには、原因を正確に把握することが大切だからです。

例えば、「聞き流し」とも呼ばれる多聴トレーニングは、異なるイントネーションやナチュラルスピードの英語をたくさん聞く、英語のリズムに慣れるといったような「音」を正確に聞き取る点においては効果的ですが、内容理解を意識せずにトレーニングを続けていつか自然と英語が理解できるといった効果は期待できません。

1.2 読んでいる英語と聞いている英語は違うことも聞き取りを難しくする

「読んでいる英語と聞いている英語は違う」ということも聞き取りを難しくする原因の一つです。

英語を読む時は、当然ながら単語と単語は半角スペースで区切られているので、それぞれの単語の意味や文法上の役割を理解しながら全体の内容を理解していくことができます。さらに、わからなければ止まって考えたり、もう一度読み返したり、場合によっては辞書を引きながら読むこともできます。

一方で、英語を聞く時は、ひと続きにいっきに耳に入ってきます。一回で聞きとり、さらに自分の頭の中で情報を適切に区切るという作業を素早く行う必要があるので、一般的には読むことよりも聞くことの方が内容の理解が追いつかなくなります。

これは、話すスピードが遅くても早くても同様で、単語を聞き取れても意味を理解できていなければ結果としてそれは「聞き逃してしまう」と状態になります。もちろん実際にはわからなければ聞き返す、ゆっくり話してもらうことができるかもしれませんが、何度も繰り返していては会話が途切れる原因にもなります。

もう一点、英語学習者の頭の中では、読んでいる英語と聞いている英語で「音の認識がずれる」という現象が起きます。具体的には、聞いている英語は音がつながり、変化しています。これは英語ではLinking sounds(音声変化)と説明されています。

例えば、下記のような音声変化があります。

Blending (音が混ざる)

“this morning”(子音同士の場合)
ディス モーニン(g) →ディス(m)ォーニン(g) ※s の音がm の音に混ざる

“this apple” (子音+母音の場合)
ディス アッポゥ→ディサァッポゥ ※ s の音がa の音に混ざる

Overlapping sounds(音が重なる)

“I did nothing wrong.”
ディドゥ ナッスィング→ディ(d)ナッスィング ※d で口の奥に舌を置いたまま n の音を重ねる

“red light”
レッド ライ(t)→レッ(d)ライ(t) ※d で口の奥に舌を置いて l の音で舌を離す

Changing sounds(全く違う音になる)

“meet you”
ミートゥ ユゥ→ミーチュウ ※ d かt が yの前にくると音が変わる

Adding sounds(音が追加される)

“she asked.”
スィ アスク(t) →スィーァスク(t) ※ eと aの間にyの音があるイメージ

Double sounds(音が重複する)

“spring garden”
スプリング ガーデン→スプリンガーデン ※重複して音が消える

1.3 トーンユニットを意識できないと意味を取りづらくなる

トーンユニット(tone unit)とは、話し言葉における音声的な単位の一つで、通常、一つの意味の塊として機能する部分を指します。話者が一息で発する短いまとまりのようなもので、自然なイントネーションやリズムが含まれています。各トーンユニットには、強調される語(ストレス)があり、そこでピッチの変化や抑揚が起こります。またトーンユニットの間には少しポーズが入ります。

例えば、

“When I got home,” (ここでピッチが少し上がるかもしれません)
“I found the door open.” (ここでピッチが下がります)

というように2つのトーンユニットに分けることができます。

このトーンユニットを意識できないと意味の切れ目が分からずに、聞きながら理解をしていくということが難しくなります。

一方で、重要なフレーズや意味のかたまりごとにトーンユニットを見つける意識をもつことができれば、たとえ流れるように英語が話されていたとしても要点を素早く捉えて理解することができるようになります。

2. 英語の聞き取り力をあげるトレーニング3つ

聞き取れるようになるためには

・音声変化を捉えられるようにする
・トーンユニットを意識できるようになる

という二つのスキルを鍛えていく必要があります。

ここでは、具体的なトレーニングの方法を解説していきます。

2.1 ディクテーションでリスニング力をチェック

まずは、自分が何を聞き取れていて、何を聞き取れていないのかをチェックするためにディクテーションに取り組んでみましょう。

ディクテーションは聞こえた英語を全て書き起こすトレーニングなので、聞き間違いや聞き逃しがはっきりと可視化されます。

一文ごとに止めて、聞こえた英語を書き起こしていきます。部分的に何度も聞きなおすのではなく、例えば3回までと決めて、聞き取れなかった箇所がいくつかあっても、そのまま先に進み、最後までいったらまたもう一周というような形で進めていきます。

音源のスピードを調整できる場合は、一度スピードを落としてから徐々に速くしていくことで、どれくらいの速さになると聞き取りができなくなるかを確認することもできます。

▼ ディクテーションの詳しい取り組み方はこちら

2.2 シャドーイングで音声の変化を捉える

音声変化を捉える練習にはシャドーイングがおすすめです。

シャドーイングがリスニング力向上に効果的である理由は、音声変化の細かな部分を捉え、実際に発音することで脳にそのパターンを定着させることができるからです。自分の認識している発音が正しい発音とずれてしまっていては、何度英語を聞いても聞き取れるはずがありません。リスニングしているだけでは気づかない音の変化を、シャドーイングを通じて実際に発音することで習得することができます。

シャドーイングの効果をさらに高めるためには、自分の発音を録音してお手本と聞き比べてみることがおすすめです。

自分では上手に発音を真似れていると思っても聞き比べてみるとお手本と全然違うと感じることが多くありますが、それがまさに自分の認識している音と聞こえる音との認知の差です。

シャドーイングを繰り返して、この差を埋めていくことで着実に音を正確に認知するスキルが高まっていきます。

▼ シャドーイングの詳しい取り組み方はこちら

2.2 スラッシュリーディングでトーンユニットを意識する

トーンユニットを捉えて意味の区切りで聞いた内容を理解するには、スラッシュリーディングというトレーニングが適しています。

スラッシュリーディングとは英文にスラッシュを入れて区切っていく学習法で主にリーディング力向上で取り入れられるトレーニングですが、今回は聞き取り力アップのためのトレーニングなので、リーディングとは異なるアプローチが必要です。

以下の方法を参考に取り組んでみてください。

① 1分程度の短いスクリプト付きの音源を準備する。
② 自然なスピードの音源を聞きながら、単語を追いかけずにトーンユニットの区切りがどこにあるかに注目する。
③スクリプトを使って区切りに/(スラッシュ)を入れる。
④区切りがどこにあるかが分かるまでリスニングを何度か繰り返す。

ポイントは音のまとまり(トーンユニット)で区切るという点です。リーディングのように意味のまとまり(チャンク)でスラッシュをいれるのでなく、あくまでトーンユニットで区切っていくことを意識します。

トーンユニットで区切る場合とチャンクで区切る場合の違い

トーンユニットで区切る場合:

We need to finalize / the budget / by Friday, / so let’s schedule / a meeting tomorrow afternoon.

チャンクで区切る場合:

We need to finalize the budget / by Friday, / so let’s schedule a meeting / tomorrow afternoon.

3. 短期間でリスニングを強化するならOne Month Program

ここまで、速い英語を聞き取れない原因や対策となるトレーニングを紹介してきました。

「自分ひとりでは教材探しに挫折しそう…」
「正しくトレーニングできているか不安…」
「なるべく短期間でリスニング力を上げたい…」
と思われる方には短期集中パーソナルトレーニングOne Month Program (ワンマンスプログラム)がおすすめです。

One Month Programは通訳・翻訳・英語教育のエージェントであるテンナイン・コミュニケーションが同時通訳者として活躍中の木内裕也氏の監修のもと作成されたプログラムです。

この記事でも紹介してきた「シャドーイング」や「ディクテーション」がプログラムの軸となっていますので、学習内容はお墨付きです。1か月間毎日欠かすことなく学習することで、確実に英語力を上げていきます。

3.1 日本人講師とネイティブ講師によるきめ細かなフィードバック

One Month Programにはトレーナーと呼ばれる日本人の英語講師がマンツーマンで英語学習をサポートしてくれます。シャドーイングや英作文の課題はネイティブ英語講師が添削した後、トレーナーが解説を日本語で加えてくれるので自分の間違いのポイントを深く理解することができます。

また、学習期間中は英語への質問だけでなく、学習の仕方や時間の捻出方法、あるいは翌日に迫ったプレゼンへのアドバイスや英語面接前の気を付ける点などあらゆる英語の困りごとに対してサポートしています。

3.2 コンテンツはすべてリアルなビジネスシチュエーションに合わせたオリジナル教材

テンナイン・コミュニケーションで提供する通訳や翻訳はすべてがビジネスに関連するものです。金融、IT、医療、メーカー、コンサルティングなど、これまで対応してきた職種は30以上。同時通訳者はそれら独自の英語や表現にとても精通しています。One Month Programではそれらの知見を活かして開発したオリジナルのビジネスコンテンツを使用するので、無駄な英語は一つもありません。学んだことは翌日から実践で使うことができます。

これらのオリジナルコンテンツを使用した「シャドーイング」「英作文」「ディクテーション」は1日ごとに内容が決まっています。そのため迷うことなく1日1日効率的に学習を進められます。

3.3 オンラインレッスンは欧米系講師とのビジネス現場を想定したロールプレイ

オンラインレッスンを担当するのはいずれもビジネス英語経験5年以上の欧米系のネイティブ英語講師です。一般的な言い回しや表現ではなく、ビジネスにふさわしい英語を学ぶことができます。ほとんどの講師が日本語も理解できるのでどうしても困った場合は日本語での質問もできます。

また、One Month Programの最上級コースMasterコースではグローバル会議や交渉の場を想定した講師2名によるロールプレイ形式のレッスンを行います。通常のマンツーマンとは違い、講師2名が話す早口の英語を聞き取りながら自分の意見を言うという他のプログラムにはないとても難易度の高い実践的なレッスンです。

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さいごに

今回は英語が聞き取れない本当の理由について解説してきました。

音声変化とトーンユニットを意識することが聞き取りできるようになるためのポイントとなりますので、本記事でご紹介したトレーニングをぜひ実践してみてください。

Writer

One Month Program

グローバルで活躍できる人材のための英語情報を発信します。
ビジネスに特化した1か月の超短期集中英語プログラム
https://www.ten-nine.co.jp/onemonthprogram/
運営会社:【通訳・翻訳・英語教育】テンナイン・コミュニケーション
https://www.ten-nine.co.jp/