「海外赴任はやめとけ!」と言われる7つの理由&成功させるためのコツ
「周りに『海外赴任はやめとけ!』と言われた…実際どうなの?」
「海外赴任のメリットとデメリットは何?やめといた方がいいの?」
海外赴任に興味がある方で、このような悩みや疑問を抱えている方はいませんか?
「海外赴任はやめとけ!」と言われる理由は主に7つあり、下記の通りです。
「海外赴任はやめとけ!」と言われる主な理由 |
・業務量が膨大で忙しい ・単身赴任の場合、家族や恋人と会えなくて寂しい ・現地の文化や食生活に馴染めない ・ケガや病気に対する不安が大きい ・人生設計がしづらい ・現地人と上手くコミュニケーションが取れずストレスが溜まる ・家族にも影響を与える |
確かに、海外赴任は決して楽ではありません。
しかし、メリットもたくさんあるとともに、出発前にしっかりと準備して、もしものときを想定した現地での心構えをおさえておけば、成功させることは十分可能です。
実際に下記のデータを見ると、海外赴任を経験して良かったと感じている海外赴任経験者が大半を占めています。
安心してください。
出典:PR Times「海外駐在、元々望まなかった87.5%が行ってよかった!海外駐在に向く人、向かない人の特徴も明らかに」
この記事では、「海外赴任はやめとけ!」と言われる7つの理由と海外赴任のメリット、そして海外赴任を成功させるために出発前にやるべきことなどについて詳しく解説します。
これを読めば、海外赴任に対するイメージがより現実的なものに変わるとともに、赴任を成功させられる可能性が高まるでしょう。
海外赴任に興味がある方は必読です!
目次
1.「海外赴任はやめとけ!」と言われる7つの理由
「海外赴任はやめとけ!」と言われる理由は主に7つあり、下記の通りです。
- 業務量が膨大で忙しい
- 単身赴任の場合、家族や恋人と会えなくて寂しい
- 現地の文化や食生活に馴染めない
- ケガや病気に対する不安が大きい
- 人生設計がしづらい
- 現地人と上手くコミュニケーションが取れずストレスが溜まる
- 家族にも影響を与える
ここでは、それぞれの理由について解説します。
これらの理由についてしっかりと理解しておくことで、実際に海外赴任をした際に、「こんなはずではなかった」「知らなかった」と後悔するリスクを軽減することにつながるでしょう。
1.1 業務量が膨大で忙しい
詳細は次章で説明しますが、海外赴任をするとさまざまな手当がつくことから収入が上がります。
働く側としては嬉しいことではありますが、その金額を支払っている側、つまり企業側からすると大きな負担です。
このように海外赴任は企業に大きな負担を与えることから、海外赴任に送り出す従業員は必要最低限にとどめている企業が多いです。
つまり、現地では限られた人数で膨大な業務量をこなすことが求められます。
外国は日本とは異なり、残業をしないことが一般的です。
しかし、業務量が多すぎて就業時間中に仕事が終わらず、1人で夜遅くまでオフィスで仕事することも少なくないでしょう。
さらに、場合によっては休日も仕事をする必要が出てくるかもしれません。
海外赴任をすると業務量が増えて仕事とプライベートのバランスが取りづらくなり、心身の健康に支障をきたす可能性があります。
ストレスを発散する方法や、身体を休ませる方法を模索することが必要です。
1.2 単身赴任の場合、家族や恋人と会えなくて寂しい
単身で海外赴任した場合、家族や恋人と会えなくて寂しい思いをする可能性があります。
それは、海外赴任をすると年に1〜2回程度しか日本に帰国することが許されないからです。
実際、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査結果を見ると、単身で海外赴任している人の割合はかなり多いことからも、この問題はかなり現実的であることが分かります。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「『企業における転勤の実態に関する調査』調査結果の概要」
日本で暮らす恋人と離れて暮らすことでコミュニケーションが不足して、関係に亀裂が入る可能性があります。
また、お子さんがいる場合は、成長の様子を見られません。
筆者の父も単身での海外赴任が多かったため、母と私は寂しい思いをしていました。
海外赴任をする際には、自分だけでなく家族や恋人など身近な人にも影響があることを念頭に入れること、そして海外赴任をする前によく話し合っておくことが大切です。
1.3 現地の文化や食生活に馴染めない
海外赴任先の国や地域によっては、文化や食生活に馴染めずストレスに感じる可能性があります。
海外旅行や海外留学の経験がなければ、なおさらでしょう。
最悪の場合、そのストレスが心身の健康に支障をきたして日本に途中帰国せざるを得ない状況を生み出す可能性もあることから、これは軽視できる問題ではありません。
海外赴任先の国や地域で日本との違いを感じても、「日本ではこうだったのに」とマイナスに捉えるのではなく、「こういった考え方・やり方もあるのか。面白いな。」と前向きに捉えるようにすることが大切です。
1.4 ケガや病気に対する不安が大きい
海外赴任先の国や地域によっては医療制度が整っていないことがあります。
また、整っていたとしても日本のように皆保険ではないため、高額な医療費がかかることが大半です。
筆者もオーストラリアで暮らしていた際に、歯医者で歯石の除去をしてもらったことがありますが、日本円にしておよそ5万円もかかりました。
救急車を呼ぶ場合は、20〜30万円ほどかかるそうです。
特に、お子さんを伴って海外赴任する場合は、ケガや病気に関する不安を抱えて生活することになるでしょう。
海外赴任に行く前には、渡航先の医療制度や医療事情について事前に情報を入れておくこと、虫歯などトラブルや病気がある場合は、日本で治療してから出発するなどの対策をとっておくことがおすすめです。
下記のリンクでは、世界各国の医療事情について紹介しています。
興味がある方はぜひチェックしてください。
1.5 人生設計がしづらい
海外赴任をする場合、赴任する期間は企業によって異なるため一概には言えませんが3〜5年ほどが一般的です。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「『企業における転勤の実態に関する調査』調査結果の概要」
しかし、赴任期間が延長されたり、他の国や地域に赴任させられたりすることも少なくありません。
海外赴任の期間は比較的長いため、結婚や子どもの進路、家の購入など人生の設計がしづらくなる可能性が高いでしょう。
この点も含めて、海外赴任前に家族や恋人など身近な人としっかりと話し合っておくことが大切です。
1.6 現地人と上手くコミュニケーションが取れずストレスが溜まる
英語が得意でない人が海外赴任に行くと、現地で周囲と上手にコミュニケーションが取れずストレスが溜まる可能性があります。
コミュニケーションが取れないと人間関係を構築することができません。
孤独を感じることもあるでしょう。
このような事態を引き起こさないようにするためにも海外赴任前にしっかりと英語力を高めて、ちょっとした雑談から業務上のやり取りまでしっかりとできるほどの英語力を身につけることが大切です。
海外赴任を控えた方におすすめの英語の勉強方法について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてお読みください。
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1.7 家族にも影響を与える
行き先や期間によっては単身でなく家族を伴って赴任することもありますが、家族を伴って赴任する場合、家族に大きな影響を与えるでしょう。
たとえば、配偶者が仕事をしている場合は仕事を辞めてキャリアを中断してもらうことになります。
子どもは、転校を余儀なくされます。
あなた自身は海外生活に慣れていたとしても、家族も同じであるとは限りません。
身体面と精神面いずれにも大きな影響を与えることになります。
家族がいる人で海外赴任を視野に入れている場合は独断で決めるのではなく、家族と話し合って決めることが大切です。
そして話し合いをする際には、配偶者や子どもの気持ちや意見にしっかりと耳を傾けましょう。
2. 海外赴任にはメリットもたくさんある!
前章では、「海外赴任はやめとけ!」と言われる7つの理由について説明しましたが、海外赴任には下記のようにメリットもたくさんあります。
- 収入が上がる
- 語学力が向上する
- さまざまなビジネスマンに必要なスキルが身に付く
- キャリアアップしやすくなる
「海外赴任はやめとけ!」という声も聞かれますが、記事冒頭でも紹介したように実際には海外赴任に行って良かったと考えている人は少なくありません。
海外赴任に行くデメリットだけでなく、メリットも知っておくことで自分は海外赴任に向いているのか、希望すべきか適切に判断できるようになるでしょう。
ぜひこの章も読んでください。
2.1 収入が上がる
海外赴任をすると赴任先にもよりますが、下記の2つの理由より日本で働いていたときの1.5〜1.8倍ほどの給与を支給されることが一般的です。
- 購買力補償方式で給与が算出されるから
- さまざまな手当がつくから
購買力方式とは、海外赴任に行く前に日本で支給された給与総額の中からおおよその生計費を割り出して、その生計費が海外に赴任するとどのように変化するのかを一定の指数を乗じて算出してから現地での給与を決定する方法です。
また、海外赴任をすると、下記のようにさまざまな手当が支給されます。
- 海外勤務手当
- 役職手当
- 子女教育費
- 住宅費
- 社会保険料
このような理由から、海外赴任すると大幅な年収アップが期待できるのです。
2.2 語学力が向上する
海外赴任に行くと、飛躍的に語学力を向上させることが期待できます。
語学力は筋トレと同じです。
単語や文法などの知識を身につけるだけではできるようにはなりません。
それらの知識を活かして、「話す」「書く」といったアウトプットをすることでできるようになるのです。
日本でも外国語の学習をすることはできますが、日常生活の中で使用する場面が限られてしまいます。
そのため、英語学習の必要性を感じることが難しく、結果としてモチベーションを保てずに挫折してしまいがちです。
しかし、海外赴任先では、外国語だけで生活しなくてはいけない環境に身を置くことになります。
現地スタッフと良好な人間関係を築いて、日々の業務をスムーズに進めるためにもさらに語学力をブラッシュアップさせようと学習に対するモチベーションが上がるはずです。
このような理由から、海外赴任後には語学力が飛躍的に向上することが期待できます。
2.3 さまざまなビジネスマンに必要なスキルが身に付く
海外赴任に行くと語学力が向上することを前項で説明しましたが、語学力以外にも下記のようにビジネスマンに必要とされるさまざまなスキルが身につけられます。
- マネジメントスキル
- コミュニケーション能力
- 異文化理解力
- ストレス耐性
- 適応力
- 主体性・積極性
- 柔軟性
- 問題能力
これらのスキルを身につけることができればあなたの市場価値が高まり、帰国後のキャリアアップや転職活動に大きく役に立つでしょう。
2.4 キャリアアップしやすくなる
海外赴任を経験すると、社内上層部に自分の存在をアピールできるため、帰国後にキャリアアップさせやすくなります。
海外赴任中は、定期的に上司に現地での様子や仕事の進捗状況などを報告することが一般的です。
ときには、日本で働いているときには話をするチャンスがなかった社内の上層部のメンバーとコミュニケーションを図る機会もあるでしょう。
海外赴任中に大きな実績を残すことができれば、社内の上層部に高く評価されて帰国後にキャリアアップができるかもしれません。
3. 海外赴任先で「辛い」「しんどい」と思ったらやるべきこと
海外赴任にはデメリットがたくさんあるため、赴任中に「辛い」「しんどい」と思うことがあるでしょう。
その際には、下記のことを試してみることで辛さを軽減できる可能性があります。
- 自分が抱えている悩みを書き出し、解決できないか冷静に考えてみる
- 赴任先の環境が合わない場合、他の国や地域に異動できないか相談してみる
- 途中帰国できるか相談してみる
- 退職・転職を検討する
ここではこれらの方法について詳しく解説します。
これを読むことで、「海外赴任で辛くても、こういった方法で辛さから解放されたり軽減できたりするんだ」と気持ちを楽にすることにつながるでしょう。
3.1 自分が抱えている悩みを書き出し、解決できないか冷静に考えてみる
漠然と「海外赴任、辛い」「日本に帰りたい」と考えていて、も問題は解決しません。
まずは自分が辛いと感じていること、ストレスに感じていることを紙に書き出して、自分の悩みを視覚化させましょう。
そして、その上でその悩みを解決できる方法がないか考えてみてください。
たとえば、業務量の多さにストレスを感じているのであれば効率的に仕事をこなす方法を模索してみるとか、孤独を感じるのであれば定期的に日本の家族や恋人、友人とビデオ会話する機会を設けるといった具合です。
3.2 赴任先の環境が合わない場合、他の国や地域に異動できないか相談してみる
赴任先の国や地域の食生活や習慣が合わない場合は、他の国や地域に異動できないか相談してみるのも手です。
海外展開に力を入れている企業であればエリアごとに本部を設置しているケースが多いため、同じエリアの中であれば異動できる可能性があります。
1人で悩みを抱えず、積極的に周囲に相談してみてください。
3.3 途中帰国できるか相談してみる
海外赴任があまりにも辛い場合は、途中帰国あるいは途中帰任できないか相談してみることもおすすめです。
途中帰国した場合、海外勤務は終わりになりますがキャリア自体は継続できるため職を失うことはありません。
海外赴任が辛すぎて「退職」が頭をよぎる場合は、まずは途中帰国・途中帰任を相談してみることをおすすめします。
3.4 退職・転職を検討する
前項で海外赴任が辛すぎて「退職」を検討している場合は途中帰国・途中帰任ができないか相談することを提案しましたが、場合によってはその希望が通らないこともあります。
その場合は、退職や転職を視野に入れることがおすすめです。
しかし、退職や離職を検討する際には、「海外業務の引き継ぎ」を念頭に入れる必要があります。
後任が派遣される場合は、余裕を持って約3ヶ月前に退職を申し出るようにしましょう。
また、赴任中に退職した場合、日本に帰国するための費用が自己負担になる可能性が高いため、日本に帰国してから退職するのが望ましいです。
帰国のための費用や賞与、後任への引き継ぎなどのルールは企業によって異なります。
退職や転職をする際には、社内規則をよく確認しましょう。
4. 海外赴任を成功させるために出発前にやるべきこと
下記の3つのことを出発前にやっておくと、海外赴任を成功させられる可能性がグッと高まるでしょう。
- 過去に海外赴任を経験した従業員からアドバイスをもらう
- 英語力を高める
- やるべきことをしっかりやって自分自身を安心させる
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
これから海外赴任を控えている方は必読です!
4.1 過去に海外赴任を経験した従業員からアドバイスをもらう
海外赴任を成功させるためには、過去に海外赴任を経験した従業員から現地での仕事や生活に関する情報を仕入れることが大切です。
具体的に仕入れるべき情報は、下記を参考にしてください。
海外赴任経験者から入手すべき情報 |
・海外赴任先で直面した問題や課題と、その解決方法 ・新しい環境に適応するために役立ったこと ・現地スタッフとのコミュニケーションのコツ ・現地での成功体験・失敗体験 ・現地の生活に関する情報 ・日本食や日本の製品が入手できるかどうか ・赴任先の国や地域の文化や習慣 ・通勤経路 ・ストレス解消法 |
情報を仕入れるほど、現地での生活や仕事がイメージできるため、赴任してから「知らなかった」とショックを受けて後悔するリスクを軽減することにつながります。
心の準備をするためにも、できるだけ多くの情報やアドバイスを入手しましょう。
4.2 英語力を高める
前章で、海外赴任をした人の大半が海外赴任をして良かったと回答していることを紹介しましたが、残念ながら海外赴任をしなければ良かったと後悔している人も少なくありません。
そして、下記のデータによると海外赴任を後悔している人の多くが、「現地の人とのコミュニケーションがうまくいかなかったから」と回答し、これが後悔している理由の中で最も多いことがわかります。
出典:PR Times「海外駐在、元々望まなかった87.5%が行ってよかった!海外駐在に向く人、向かない人の特徴も明らかに」
言い換えると、英語力をしっかりと高めてから出発をすることで楽しく海外赴任を楽しめる可能性が高まるということです。
出発前にしっかりと英語の学習をしましょう。
下記の記事では、短期間でビジネス英会話を習得するためのコツや方法を紹介しています。
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4.3 やるべきことをしっかりやって自分自身を安心させる
緊張や不安を感じる理由は人によってさまざまですが、「準備不足」が原因であることも少なくありません。
そのため、海外赴任に向けてやるべきことをしっかりと準備をすれば不安や緊張を軽減することにつながるでしょう。
海外赴任の話がきたときにすること |
・家族に相談する ・会社のサポートを確認する |
出発2ヶ月前までにすること |
・就労ビザを申請する ・赴任先の情報を収集する ・英語を勉強する ・住居を決める ・引越し業者を手配する ・在留届を提出する ・銀行口座を作る |
出発1ヶ月前までにすること |
・健康診断を受ける ・予防接種を受ける ・現地で使用する ・携帯電話・スマホを準備する ・住民票を移す ・国際運転免許証を取得する |
出発1週間前までにすること |
・現地スタッフへのお土産を買う ・手荷物を準備する |
出発1日前までにすること |
・忘れ物がないか再度確認する ・リラックスして早めに就寝する |
出発当日にすること |
・持ち物を最終チェックする ・お世話になった人に挨拶する |
下記の記事では、これらの海外赴任前にやるべきことについてさらに詳しく解説しています。
これを読めば、安心して海外赴任に行けるはずです。
興味がある方はぜひお読みください。
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まとめ:「海外赴任はやめとけ!」と言われるかもしれないが、準備や心がけ次第で成功する!
「海外赴任はやめとけ!」と言われる理由は主に下記の7つです。
「海外赴任はやめとけ!」と言われる主な理由 |
・業務量が膨大で忙しい ・単身赴任の場合、家族や恋人と会えなくて寂しい ・現地の文化や食生活に馴染めない ・ケガや病気に対する不安が大きい ・人生設計がしづらい ・現地人と上手くコミュニケーションが取れずストレスが溜まる ・家族にも影響を与える |
確かに、海外赴任は決して楽なものではありません。
しかし、メリットもたくさんあるとともに、出発前にしっかりと準備して、もしものときを想定した現地での心構えをおさえておけば成功させることは十分可能です。
「海外赴任はやめとけ!」と言われたからという理由で諦めてしまうのは、もったいないです。
よく考えて判断しましょう。
Writer
One Month Program
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