「おすすめの参考書を教えてください!」
これは、英語業界に身を置く筆者が、学習者の方から最もよく聞かれる質問です。
今回の記事では、これまで上記の質問へお答えとしておすすめしてきた厳選の英語学習本12冊を余すことなくご紹介しております。
目次
1. 英語レベル別にビジネス英語でおすすめの本を一挙ご紹介
筆者が厳選したビジネス英語学習に役立つ本の一覧です。レベルとおすすめポイントで分類してありますので、参考にしてください。
レベル | 書籍タイトル | こんな人におすすめ |
初級 | ビジネス英語表現大辞典6000+ | 場面ごとの定番フレーズをさっと知りたい |
初級 | キクタンビジネス【Basic】 | 業界やトピック別に必須単語を覚えたい |
初級 | 英語シャドーイング練習帳 | 一度で聞き取り理解できるようになりたい |
初級 | 的確に伝わる英文ビジネスEメール例文集 | ビジネス上の様々な場面で使えるメール表現を網羅したい |
中級 | 起きてから寝るまで英語表現1000オフィス編 | 日常的なビジネスシーンのフレーズをざっと抑えたい |
中級 | ビジネスで1番よく使う英単語 最重要1000語 | ビジネス現場で使える実用性の高い単語を覚えたい |
中級 | 英語で聞く力。81のサンプル・リスニングで鍛える! | いち参加者として会議にしっかりとコミットしたい |
中級 | 一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 | 英文法のネイティブらしい考え方を知りたい |
上級 | 即戦力がつくビジネス英会話 | ワンランク上のビジネス会話フレーズを場面やニュアンスごとに知りたい |
上級 | 上級志向の英単語 Must-Have(マストハブ)300 | ネイティブレベルのビジネス単語・フレーズを知りたい |
上級 | 例解 和文英訳教本 (文法矯正編) -英文表現力を豊かにする | 日常英語に応用できる英文法を知りたい |
2. 初級レベルのビジネス英語おすすめ学習本
初級レベルのポイントは「定番の単語やフレーズをおさえる」ことです。
バリエーションはなくても、汎用性の高い単語やフレーズがいくつか覚えていれば、それを使いまわすことでビジネスの様々な場面を乗り越えていくことができます。そんな定番の単語やフレーズがたっぷりつまったおすすめの学習本を以下で詳しくご紹介します。
2-1.【場面ごとのビジネスフレーズをさっと知りたい】『ビジネス英語表現大辞典6000+』
ビジネス英語表現大辞典6000+
著者:イ ジユン
出版社:アルク
発売日:2018/11/28
「初めて会う取引先の相手とは、どう話せばいいのかな?」「メールの書き出しって、何を書けばいいんだろう?」……。そんなビジネスの場面ごとに“使える”英語表現をコンパクトにまとめた1冊です。
電話やメールをはじめ、会議、交渉、プレゼンテーションまで、あらゆる仕事の状況に対応。その場で話すべきこと、書くべきことを即座にチェックできます。
収録されている6000超の英語フレーズは、「Part 1. 面接」⇒「Chapter 1 挨拶と自己紹介」⇒「最初の挨拶」のように、ビジネスシーン別に分類されています。自分が直面する状況に即して、必要なフレーズを辞書のように引いて、すぐ使うことができるので、とても便利ですね。
さらには「人脈作り」や「社交活動」など、ビジネスと関連した領域まで幅広く取り上げられているので、生きた英語を使いこなす一助にもなるでしょう。
そして、付属のCD-ROMには、約4000の日本語見出しと約5000の英語フレーズが収録されています。約300の例文を参照しながら、使用される状況に即してフレーズを学べます。総収録時間は10時間超というボリュームです。
2-2.【業界やトピック別の必須単語を覚えたい】『キクタンビジネス【Basic】』
キクタンビジネス【Basic】
著者:一杉 武史
出版社:アルク
発売日:2011/10/19
文章を「目」で追うだけでなく、実際に「耳」と「口」をフル活用した方が、生きた英語を習得しやすいことは言うまでもないでしょう。
こちらの本では、付属のCDを聴いて、実際に発音することで、ビジネスに必須の単熟語が覚えられます。音楽に合わせた「英語→日本語→英語」のチャンツ(リズムに合わせて英文や英単語を発音する学習法)で、効果的にインプットできるのが魅力です。
世の中には多種多様のビジネスが存在していますが、その基礎となるボキャブラリーは共通しているもの。こちらの本に収録されているのは、特に汎用性の高い、ビジネスの基礎語彙ばかりです。見出し語・熟語の選定にあたっては、膨大な量のビジネス関連文書に加え、最新の語彙研究から生まれたコーパスのデータを徹底的に分析。さまざまなビジネスシーンで土台となるBasic語彙784が厳選されています。
ビジネスの現場で頻繁に出てくる単語・熟語を1日2分、16の見出しを覚えていくことで、無理なくビジネス英語の基礎をマスターできる構成になっています。語彙を増やして、表現の幅を広げたい方におすすめです。
2-3.【一度で聞き取り理解できるようになりたい】『英語シャドーイング練習帳』
英語シャドーイング練習帳
著者:玉井 健 (著), 中西 のりこ (著), 『多聴多読マガジン』編集部 (編集)
出版社:コスモピア
発売日:2012/11/27
日本人向けに正しい文法と明瞭な発音で「美しく話された英語」を聞き取ることが出来たとしても、英語を母語とする人が日常会話で話す英語を聞き取るのは難しいものです。ネイティブの発音をしっかり聞き取れるようになりたい方におすすめなのが、こちらの本です。
書籍のタイトルにもなっている「シャドーイング」とは、CDから流れてきた英語を聞き取り、コンマ何秒遅れでそっくり真似して、自分の口から出す練習法のこと。言葉を聞いて意味が解るということは、聞いた音を脳の中に一旦プールし、その瞬間に脳が持っている知識を総動員して音と結びつける作業が行われているわけですが、この「音を一旦プールする作業」にシャドーイングが大活躍します。出身地も年齢も様々なネイティブ20名以上の英語をシャドーイングして、多彩なバリエーションの「英語の音のデータベース」を脳の中につくることが可能になります。
各Unitに登場する単語やフレーズは、ビジネスのあらゆる場面で使える定番なものばかりです。単語の意味は知っているけれど、自分の口からは出てこないという課題を感じられている方は、実際に自分の口で単語を発する機会を増やしてみることが効果的です。シャドーイングを通して何度も単語を口から発することで、「知っている単語」が「使える単語」に変わり、最終的にはその単語を耳にした時に音と意味がすぐにつながるようになります。
2-4.【ビジネス上の様々な場面で使えるメール表現を網羅したい】『的確に伝わる英文ビジネスEメール例文集』
的確に伝わる英文ビジネスEメール例文集
著者:大島 さくら子
出版社:ベレ出版
発売日:2012/3/1
英語でメールを書くことに苦手意識を持ってしまっている方も少なくありませんが、ある程度の文章形式を覚えてしまえば、それほど難しくはないはずです。
ビジネスにおけるEメールでは、長々とした挨拶や社交辞令は必要ありません。画面の向こうで受け取る人にしっかり要点が伝わる内容であることが何よりも重要です。例えば「アポイントメントを取る」「スケジュールを確認する」「間違いを指摘する」「業務を依頼する」「催促する」など、こちらの要望やニュアンスを正確に伝える必要があります。それを的確に表現した英文で書くことで、初めて相手にきちんと届きます。
こちらの本には、ビジネスシーンごとに使いこなせる実用的な例文1950が収録されています。場面ごとに挙げられている例文の使い方のポイントと様々な表現が数多く紹介されているので、組み合わせて応用できるようになっています。デスクの傍らに備えておきたい1冊ですね。
3. 中級レベルのビジネス英語おすすめ学習本
中級レベルのポイントは、「場面や状況に合わせて、適切な表現を選んで使えるようになること」です。同僚との会話で言いたいちょっとした日本語や、自身の仕事に関する専門的な話題などに対応できるよう、使える表現の引き出しを増やすことで、受験英語レベルから脱してネイティブらしい英語に近付けていきたいところ。
それらを踏まえて、中級レベルの方におすすめしたい本は、以下の通りです。
3-1.【日常的なビジネスシーンのフレーズをざっと抑えたい】『起きてから寝るまで英語表現1000オフィス編』
起きてから寝るまで英語表現1000オフィス編
著者:荒井 貴和 (著), 武藤 克彦 (著), 吉田 研作 (監修)
出版社:アルク
発売日:2018/12/18
「ざっくりスケジュール感教えて」「前の会議が長引きまして」「副業ダメとか今どきないわー」……。オフィスで交わされるカジュアルな会話を英語にすることはできますか?
日常的なビジネスシーンのフレーズを抑えて、英語での会話力を向上させたい方におすすめなのが、こちらの本です。今日したこと、思ったことを全て英語で言ってみる「つぶやき練習法」なら、相手がいなくても英会話の練習ができます。
オフィスで必須の単語をイラストを見て覚える「英単語」、基本的な動作や行為を英語で言う「行動表現」、これが英語で言いたかった! という思いを英語で言う「つぶやき表現」の3段階で、順序だてて日常生活の英語表現を身につけられます。
付属CD-ROMと無料ダウンロード特典で、発音の練習も可能。何よりも、覚えたフレーズを状況に応じ自分でアレンジしてアウトプットできるようになるための解説が充実しており、丸暗記を脱して「自然に使いこなす」を目指したい方に最適です。
3-2.【ビジネス現場で使える実用性の高い単語を覚えたい】『ビジネスで1番よく使う英単語 最重要1000語』
ビジネスで1番よく使う英単語 最重要1000語
著者:成重 寿
出版社:ジェイ・リサーチ出版
発売日:2016/5/26
ビジネスの「現場」で使われる英単語やフレーズを集中して覚えたい方には、こちらの本がおすすめです。実際にビジネスパーソンが仕事の中で使用している1000語が収録されています。
「オフィス」「電話」「会議」「経営」「マーケティング」「顧客サービス」など、22のジャンルにまとめて英単語が紹介されています。Title(肩書)、raise(昇給)、deadline(納期)という基本語から、implement(実行する)、launch(開始する)などのオフィシャルな表現や、eye-opener(目を開かせるもの)、cutting-edge(最先端の)などのしゃれた言い回しまで、現場にこだわって厳選されたものばかりです。
見出し語は、スピーキング例文やライティング例文に組み込んであるので、そのまま会話やメールで使えます。音声を無料ダウンロードできるので、耳から覚えればリスニング力の強化にもなるでしょう。持ち歩いて空き時間に読むことができる携帯版の大きさも嬉しいところです。
3-3.【いち参加者として会議にしっかりとコミットしたい】『英語で聞く力。81のサンプル・リスニングで鍛える!』
英語で聞く力。81のサンプル・リスニングで鍛える!
著者:長尾 和夫, アンディ・バーガー
出版社:三修社
発売日:2018/5/29
会議に出席したものの、飛び交う英語に付いていくだけで精一杯になり、「参加した」という実感が得られなかった、という経験はありませんか。参加者としてしっかり会議にコミットするために、リスニング力を鍛えたい方におすすめしたい本です。
こちらの本には3枚のCDが付属しており、徹底して「聞く力」に重点を置いています。音声は、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダの4カ国のナレーターで収録。TOEFL、TOEIC、TEAP、英検、IELTSといった英語資格試験でよく出るテーマの英文から日常やビジネスのシーンの英文まで、幅広い素材を扱っています
英文リスニングに頻出の「ショートダイアローグ・モノローグ」「図表付きダイアローグ・モノローグ」「ロングダイアローグ・モノローグ」を効率的に聞き取り、論理的に理解することができます。
「120語程度のダイアローグとモノローグ」を聞き取るSection1から、「500語程度の長いダイアローグ」「750語程度の長いモノローグ」を聞き取るSection5まで、段階を踏んでリスニング力をレベルアップさせていきましょう。
3-4.【英文法のネイティブらしい考え方を知りたい】『一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法』
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法
著者:大西 泰斗, ポール・マクベイ
出版社:ナガセ
発売日:2011/9/9
英語を書き、英語を話せるという「実用的な英語力」を身につけるために避けて通れないのが基礎となる文法です。文法というと受験英語を思い起こすかもしれませんが、こちらの本は「動名詞」「関係代名詞」「to不定詞の名詞的用法」といった文法規則を列記したものではありません。むしろ文法用語は極力排して、英語を貫くシンプルなシステムをつかめるように、「配置のことば」である英語の原則や知識の項目を“英語を理解するために最適な順”に収録。受験英語で苦労してきた難解な文法事項を感覚的に理解できるように構成されています。
英語のシステムやネイティブスピーカーの意識が、豊富なイラストとコラムで詳細に解説されています。受験や資格のためだけではなく、本当に日本人が英語を使いこなせるようになるための「エンジン」となりうる書籍です。
英語を母語としている人たちと同じように英語を話し、読み、聴きとるための知識が満載されています。しっかりした文法を身につけることはライティングの向上にも役立つでしょう。
4. 上級レベルのビジネス英語おすすめ学習本
上級レベルのポイントは「細かいニュアンスや響きまで意識した精度の高い英語を身に着けること」です。
仕事を依頼する場面ひとつをとっても、緊急で対応する必要がある、設定された期限までには終えてほしい、空いた時間に進める形でかまわない、と様々です。日本語でそれぞれの場面に適切な言葉遣いをするように、英語でも同様に単語の持つニュアンスや相手に与える印象を意識して言葉遣いを変えていけるのが真の上級者です。そんなネイティブレベルの英語力を身に着けるためにおすすめしたいのは、以下の本になります。
4-1.【英文法のネイティブらしい考え方を知りたい】『即戦力がつくビジネス英会話』
即戦力がつくビジネス英会話
著者:日向 清人
出版社:ディーエイチシー
発売日:2020/7/28
自己紹介からプレゼンテーションまで、実戦的なビジネス英語を学べる上級者向けの1冊です。「基礎編」と「実践編」に分けられており、それぞれの場面に応じたビジネス英語が紹介されています。
サブタイトルに「基礎から応用まで」とありますが、その内容は非常にハイレベル。全体の密度が濃く、ボリュームもたっぷりなので、初心者が読みこなすのは難しいでしょう。まさに、上級者向けの1冊です。
付属のCDでリスニングとスピーキングの鍛錬も出来ます。続編の「2」も出ていますが、こちらの方が上級者に適した内容となっています。
4-2.【ネイティブレベルのビジネス単語・フレーズを知りたい】『上級志向の英単語 Must-Have(マストハブ)300』
上級志向の英単語 Must-Have(マストハブ)300
著者:株式会社アルク 出版編集部
出版社:アルク
発売日:2023/3/23
仕事や日常生活で「より高度なアウトプット力」が必要になってきた方、ネイティブスピーカーと対等な立場で会話を交わして議論を戦わせたい方に向けて、真に「よく使われている」英単語を厳選。伝えたいことが明確に伝えられる、上級者の英単語力を極める1冊です。
こちらの本には、英語圏の有識者のインタビューやスピーチといった約300万語のビッグデータから、使用頻度の高い英単語300個が収録されています。俗語や専門的な言い回しではない、古くもなく流行語でもなく、教養あるネイティブスピーカーが、きちんとした文を書いたり話したりする際に使う「普遍的な単語」を覚えることが出来るのです。
すべての英単語には日本語訳/英英定義/例文と共に掲載されており、無料ダウンロード音声も付いているため、読んでも聞いても学べる英単語帳となっています。また、難易度の高い単語をしっかり定着させるための「穴埋め問題」や「マッチング問題」も掲載。構文や使用の際に気を付けるべきポイント解説も充実しています。ネイティブスピーカーと渡り合える、知的で洗練された英単語力を身につけたい方に最適です。
4-3.【日常英語に応用できる英文法を知りたい】『英文表現力を豊かにする 例解 和文英訳教本 (文法矯正編)』
例解 和文英訳教本 (文法矯正編) –英文表現力を豊かにする
著者:小倉 弘
出版社:プレイス
発売日:2010/7/1
英語を書くために欠かせない英文法の知識を体系的に学習しながら、英文法を実戦的に体得できる1冊です。「生きた英文法」を体感することで、英作文の能力を向上させられます。
英文法を学ぶには、実際に英文を読んだり書いたりして身につけるのが近道です。文法のルールを丸暗記するよりも、英作文を通して文法を理解する方が応用も利くでしょう。必然的に、英文の表現も多彩になっていきます。
上級レベルになってきたからこそ、しっかりと英文法を見つめ直したいという方にもおすすめします。
5. まとめ
今回は初級・中級・上級のレベル別に、書籍をご紹介しました。
英語学習の目的や現在のレベルを鑑みて、自分に合いそうな本を選びビジネス英語の力を向上させてくださいね。
Writer
One Month Program
グローバルで活躍できる人材のための英語情報を発信します。
ビジネスに特化した1か月の超短期集中英語プログラム
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運営会社:【通訳・翻訳・英語教育】テンナイン・コミュニケーション
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