1. 海外赴任の話しが来た時にすること
1.1 家族に相談する
まずは家族に海外赴任が決まったことをすぐに報告しましょう。独身でない場合は、家族を帯同するかどうかも重要なポイントとなります。赴任先や会社によっては家族の帯同を認めない場合もあります。帯同が問題ない場合は一緒に行くかどうかを家族で相談してください。海外赴任は3年から5年と長期間にわたる場合もあります。パートナーの方の就労状況やお子様の学校の状況によっては、一緒に海外に行くのが難しい場合もありますのでまずは家族と話し合いましょう。
お子様の学校が一番の問題になる場合もあります。現地に日本人学校があるのか、それとも現地校に通うのかも合わせて確認しましょう。
※海外の日本人学校リスト
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/002/001.htm
1.2 会社のサポートを確認する
会社によってどこまでをサポートするのかは様々です。転勤者のサポートについては人事部や総務部が管轄していることが多いです。
おそらくご自身で確認する前に当該部署からサポートの連絡が来ると思いますのでまずはそちらを確認してください。
サポート内容は赴任国や赴任期間、単身か家族帯同かによって異なってきます。また去年まではなかったが今年から新たに加わったサポート内容、またその逆など社内規定の変更もありますので、知っている先輩や同僚などからの情報ではなく、該当部署から最新の情報をもらうようにしましょう。
2. 出発2か月前までにすること
海外赴任をすることが決まったら具体的な申請や情報収集を行っていきます。
2.1 就労ビザを申請する
海外で働く場合は、就労ビザが必要となります。就労ビザは会社で手続きすることがほとんどですので、社内の担当部署に確認してください。
取得にあたっての必要書類は国によって異なります。赴任先の大使館のサイトの最新情報を確認しましょう。
※アメリカ
https://ustraveldocs.com/jp/ja/step-1/#visa-type
※EU
https://etias-web.com/unitedkingdom-visa/#unitedkingdom4
※中国
http://jp.china-embassy.gov.cn/jpn/lszc/202302/t20230201_11017317.htm
※タイ
http://www.thaiconsulate.jp/visa-top/
※シンガポール
https://www.mfa.gov.sg/Overseas-Mission/Tokyo/JP/Tokyo-JP/Visa-Information
2.2 赴任先の情報を収集する
現地に赴任している方、赴任したことがある方が社内にいれば、すぐに連絡を取ってみましょう。zoomなどのオンライン、それが難しければ電話など、メールよりも直接話を聞いた方が自分が意図していなかった情報も教えてもらえると思います。
もし社内にそういった方がいなければ、友人などにも連絡して紹介してもらうのをお勧めします。どうしても該当者が見つからない場合は、ブログなどで情報を探してみるのもいいかもしれません。「海外生活」というカテゴリーで海外在住の人をまとめているサイトもあります。赴任先の国を絞って探してみれば現地のリアルタイムの情報を知ることができるかもしれません。
※アメブロ(海外生活)
https://ameblo.jp/blog_portal/category/global/
※ブログ村(海外生活)
https://overseas.blogmura.com/
※note(海外在住、などで検索)
https://note.com/
出張でたびたび行ったことがあり、ある程度分かっている国でも長期間住むとなると必要な情報が変わってきます。外務省海外安全ホームページから「海外赴任者のための安全対策小読本」というPDFがダウンロードできますのでぜひ最新版をご確認ください。
※外務省海外安全ホームページ「海外赴任者のための安全対策小読本」https://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/pamph_08.pdf
また、外務省が運営している海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録しておくと、出発前から現地の安全情報を入手することができます。LINEでの連携で簡単に登録できますので、事前の登録をお勧めします。
※たびレジ
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/index.html
2.3 英語を勉強する
英語圏の国はもちろんですが、それ以外の国でも社内でのコミュニケーションは英語で、ということも多いのではないでしょうか。ある程度仕事で英語を使っていても、日々のコミュニケーションがほとんど英語となると自分の伝えたいことが100%伝えるのは非常に困難です。
赴任後に困らないためにも英語の学習は赴任の準備と並行して行っていきましょう。時間を節約するためにもオンラインのレッスンがおすすめです。
※1か月で完了するビジネス英語プログラム One Month Program
https://www.ten-nine.co.jp/onemonthprogram/
※EF
https://englishlive.ef.com/ja-jp/
※ビズメイツ
https://www.bizmates.jp/
2.4 住居を決める
住居を決めるのは一番大事なことです。安全で安心な住居に住めば、慣れない海外での生活のストレスも和らぐかもしれません。
収集した現地情報や、実際に住んでいた人たちに聞いて大体の住む場所が決まったら、現地の不動産会社に連絡します。今はほとんどがネットで確認できますし、場合によって内見もオンラインでできますので、早めに住む場所を決めて、契約も済ませておきましょう。
※アメリカの不動産サイト
https://www.zillow.com/
https://www.rent.com/
https://www.apartments.com/
※ヨーロッパの不動産サイト
2.5 引っ越し業者を手配する
海外への引越しは会社が契約している引越し業者を使うのが一般的内容です。国内引越し大手の企業は海外引越しも対応している場合が多いです。もし自分で手配しなければならない場合は、各企業に問合せしてみましょう。
海外引越し取扱い企業リスト
※日通
https://www.nittsu.co.jp/kaigaihikkoshi/
※アート引越センター
https://www.the0123.com/houjin/kaigai/
※サカイ引越センター
https://www.hikkoshi-sakai.co.jp/kaigai/
また、引越し荷物は航空便と船便の2つの輸送方法があります。赴任の場所にもよりますが、航空便は1週間程度、船便は2か月程度と輸送機期間が大きく異なります。料金は航空便は船便の7倍程度かかるとのことですので、会社によっては二つを使い分けするように指定することもあります。一般的にはついてすぐ必要なもの、小型のものを航空便で、大きな家具などは船便などです。ただし小型のものでも安全のため航空便で運べないものもありますので、注意が必要です。また、国によっては持ち込みが禁止されているものもあります。荷造り前に必ず禁制品を確認しましょう。
※航空機による航空機による輸送ができないもの(日本郵便)https://www.post.japanpost.jp/question/24.html
※禁制品リスト(ヤマト運輸)https://business.kuronekoyamato.co.jp/service/lineup/ups_wwe/embargo_list/index.html
2.6 在留届を提出する
海外での住居が決まったら在留届を提出します。新規で海外に3か月以上滞在する場合は必要となってきますので、半年など比較的短い期間の海外赴任であっても申請が必要です。在留届はオンラインで提出できます。
※オンライン在留届
https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html
2.7 銀行口座を作る
赴任先で銀行口座を作る場合、やはり現地に行ってから手続したほうがスムーズな場合が多いようです。日本の銀行口座をそのまま継続して使えるかどうかは出発前に各銀行に確認してみましょう。また、一部日本の銀行でも海外赴任者・留学者向けのサービスを提供しているところがあります。日本国内にいる間に作ることが条件となっている場合もありますので、早めに確認しましょう。
※ソニー銀行
https://moneykit.net/visitor/support/support01.html
※三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/kojin/kaigaiservice/globalservice/
※三菱UFJ銀行
https://direct.bk.mufg.jp/global/index.html
3. 出発1か月前にすること
3.1 健康診断を受ける
1989年の労働安全衛生法改正により、海外へ派遣前後の健康診断が事業者に義務付けられています。健康診断の対象者は、海外に6か月以上派遣される労働者で、派遣形態が駐在と出張にかかわらず、事業者は健康診断を実施する必要があります。海外赴任が決まったら、海外渡航者向けの健康診断を提供している病院・クリニックで予約を取りましょう。すぐに受診できるとは限りませんので早めの予約が安心です。
健康診断の基本的項目は以下となります。
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
- 胸部エックス線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量及び赤血球数)
- 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTP)
- 脂質検査(LDLコレステロール,HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査
- 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
- 心電図検査
※海外派遣労働者の健康診断(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf
3.2 予防接種を受ける
健康診断とともに重要なのが予防接種です。感染症を予防するために必要ですが、国によっては入国時に予防接種が必要なところもあります。厚生労働省では国別に推奨する予防接種を一覧にしています。赴任先はどれが必要かを確認しましょう。
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/useful_vaccination.html
予防接種を打つタイミングや回数はワクチンによって異なりますので、事前に確認することをお勧めします。
3.3 携帯・スマホを準備する
日本のスマホは国際ローミングサービスを利用すれば、海外でも使うことができますが、利用料が高額になる場合があります。また、仕事のために日本の番号ではなく現地の電話番号が必要になる場合も多いと思います。そのため日本のスマホを利用するよりも、現地のスマホを契約した方がよいでしょう。日本と同様、料金プランなど様々あり、外国人にはわかりづらいかもしれません。赴任直後は日本のスマホを使って、赴任後に同僚と相談して自分に合ったスマホ会社や料金プランを選ぶ方法もあります。
※アメリカの大手携帯会社
https://www.t-mobile.com/
https://www.verizon.com/
https://www.att.com/
※ヨーロッパの大手携帯会社
https://www.vodafone.com/
https://en.orange.es/
※中国の大手携帯会社
https://www.cmlink.com/brand/index.html
http://www.10010.com/net5/011/
3.4 住民票を移す
今住んでいるところの役所に海外転出届を出します。渡航の14日前から手続可能ですので、役所に行って転出届を提出してください。海外転出届を出すと、現住所の住民票は「除票」となります。
ただし、海外の滞在期間が1年未満場合は、短期滞在で国内での居住者扱いとなりますので基本的には手続きの必要はありません。赴任期間が現時点で決まってない場合はお住まいの役所に相談してみてください。
3.5 国外運転免許証を取得する
日本で運転免許を取得していれば、外国(ジュネーブ条約締約国)で運転するための運転免許証の交付が可能です。現地の運転免許証を取得する必要はありません。
※ジュネーブ条約締約国https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/kokugai/kokugai04.html
国外運転免許証の有効期間は発行日から1年間で更新制度はありませんが、国内の運転免許証が失効してしまうと国外運転免許証もその効力を失いますので注意が必要です。国内運転免許証の有効期限が1年未満の方は、赴任前に更新をおすすめします。なお、国外運転免許証の手続き場所は限られていますので注意が必要です。
※東京都内の手続き場所https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/kokugai/kokugai01.html
4. 出発1週間前にすること
4.1 お土産を買う
赴任先へのご挨拶として手土産をもっていく方も多いようです。日本では職場の皆さんで食べてください、という感じで大きめの菓子折りを持参することも多いと思いますが、海外はそのような習慣がないため、一人一人にちょっとしたものをプレゼントするのが良いでしょう。
人数が多いと負担も大きくなってしまうため、高価なものではなくコンビニやスーパーで売っているお菓子でもいいと思います。日本の抹茶味は海外でも人気のため、抹茶味のチョコレートやクッキーなどが喜ばれるかもしれません。
4.2 手荷物を準備する
船便や航空便は届くまでにどうしても時間がかかってしまいますので、最低限生活に必要なものは手荷物として持っていくようにします。荷物が増えてしまうと飛行機で超過料金を取られてしまいますので、赴任先で購入できるものは極力持たずに、赴任先では入手が困難でどうしても日本から持っていく必要があるものを絞ることも大切です。手荷物リストを自分で作成して、必要なものがそろっているかチェックしましょう。足りないものは早めに購入して方が直前であわてないためにも大切です。
手荷物リスト例
- パスポート
- ビザ
- 航空券
- 現金
- クレジットカード
- 海外旅行保険保険証
- バッグ
- エコバッグ
- 洋服
- 下着
- ルームウェア
- 上着
- 靴・靴下
- 歯磨きセット
- タオル
- ティッシュ・ウェットティッシュ・除菌シート
- シャンプー・リンス・ボディーソープ
- 医薬品・サプリメント
- コンタクト一式・眼鏡
- 時計
- スマートフォン、充電器
- 海外用電源プラグ変換アダプター
- ガイドブック・地図
- 筆記用具・ノート
- 雨具
- 洗濯洗剤
- スリッパ
- マスク、体温計
- 化粧品
- 洗顔料・メイク落とし
- 生理用品
- ひげ剃り・クリーム
- 帽子
- サングラス
- 虫よけスプレー
- 日焼け止め
- 防寒具
- カイロ
5. 出発1日前にすること
5.1 忘れ物がないか再度確認する
出発当日にバタバタしないよう、手荷物リストをチェックしてください。もし今用意できてないものがあれば、出発日に空港で購入できるのか確認し、購入できる場合は早めに出発します。
5.2 リラックスして寝る
海外赴任の準備は万全です。あれもやればよかった、これもやってない、と気になりだすと眠れなくなります。余裕をもって出かけるためにも出発日に寝坊するのだけは絶対に避けなければなりません。
前日はゆっくりとお風呂に入って、明日の持ち物の確認が終わったら早めに寝るようにしましょう。
6. 出発当日にすること
6.1 持ちものを最終チェックする
出発当日に手荷物リストをチェックして忘れ物があっても焦るだけです。とりあえずパスポート、ビザ、航空券、現金、クレジットカードがあれば大丈夫。それだけは忘れないように気を付けてください。
6.2 お世話になった人にあいさつする
海外赴任でお世話になった人たちに空港での待ち時間を使ってLINEやメールで「これから行ってきます」のあいさつをするのはどうでしょうか。赴任先について落ち着いてからと考えていると毎日バタバタして思った以上に時間がかかりますし、時差もあるのでタイミングを逃してしまうかもしれません。出発直前にこれから行ってきますと挨拶しておけば、現地の到着に返信を確認することができるかもしれません。
Writer
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