目次
1. 上級レベルのリスニングは「知識不足」を解決するのが先決!
上級レベルのリスニングが難しい原因は、ひと言で言うと、「知識」が足りなすぎる、と言えます。そのため、リスニングを勉強する際には、まずは徹底的に「インプット」をして「知識不足」を解消することをぜひおすすめしたいです!聴き取るための「知識」を身に着けながらリスニングに取り組むと、結果的にリスニング力が上がります。
上級レベルのリスニングを難しくしているのには、3タイプの「知識」があります。それは、「ネイティブレベルのボキャブラリー」「背景知識」「長い英語」です。これらの「知識」がどうして重要なのか、そしてどうやってリスニングの勉強をしたらいいのかをまとめました!
「リスニング力を上げたいからリスニングしたい」という気持ちをぐっとこらえて、まずは読んでみてください。それを踏まえたうえで、どんな教材でどう勉強したらいいのかをお伝えしたいと思います!
1-1. 「ネイティブレベルのボキャブラリー」にアップグレードする
上級レベルの英語を聴き取れるためには、とにもかくにも、まずは現段階の自分のボキャブラリーをネイティブレベルにアップグレードする必要があります。ネイティブレベルのボキャブラリーの知識がどれくらいあるのかを測るために、まずは次の問題に答えてください。
問題:big以外に、「大きい」を意味する英単語を5つ挙げてください。
いくつ思いつきましたか。答えとして挙げられるのは、次のような単語があるかと思います。
上級レベルのリスニングをするためには、これらすべてがすぐに思いつくぐらいに語彙力をアップグレードする必要があります。
日本語でも、「大きい」に対して、「甚大」や「膨大」と言った単語がありますよね。例えば、海外出身の方で「日本語が話せます」という日本語学習者のうち、どのくらいの割合の方が「甚大」や「膨大」という言葉を知っていて、使えているでしょうか。もし使えていたら、「真の日本語上級者」と思いますよね。「大きい」に対する「甚大」「膨大」というようなボキャブラリーのアップグレードを、英語でも行い、何となくの雰囲気で聴き取るレベルを脱しましょう。
ボキャブラリーは「超上級レベル」を目指す
では、どのくらいにまでボキャブラリーをネイティブレベルにアップグレードしたほうがいいかと言うと、ずばり「超上級レベル」です。「大きい」で言えば、colossal。これを日常的に使い慣れていて聴き取れるのが、上級レベルです。
「話せること」と「聴きとれる」ことには、実は、かなりギャップがあります。上級レベルにまで到達した方の多くが言うのが「話せるけど聞き取れない」です。スピーキングは、初級レベルの単語やフレーズを組み合わせて無理やりにでも話すことはできます。しかし、そこに安住していると、聴き取るべきネイティブレベルの英語との差は縮まりません。ひとつでも上のレベルの単語を、ひとつでも多く増やしましょう。
1-2. 「背景知識」を徹底的にインプットする
リスニング力を真の上級レベルにするためには、「背景知識」を徹底的にインプットしなければいけません。聴きとりに決定的に影響する背景知識には、次の3タイプがあります。
・「一般常識」を知らないと聴き取れない
日本語であれば当たり前の一般常識を、英語で何というか知らないと聴き取ることはできません。まずは次の問題に答えてみてください。
問題:「光合成」「点字」「目にかかるくらいの前髪」を英語で言えますか。
3つとも、日本語なら中学生であればすべて理解できる単語です。これらを英語で知らないと、聴き取れません。
答え:
- 「光合成」:photosynthesis
- 「点字」:Braille
- 「目にかかるくらいの前髪」:eye-grazing bangs
いかがですか。どれも子どもでも理解できる、まさに「一般常識ですよね。ニュースや新聞、世間話をしていれば、どこかしらで目にする単語です。
スピーチは一つの話題を掘り下げ、同じトピック内で話が進むので、何とかついていくことができます。しかし、ニュースや世間話は次々にトピックが変わるので、じっくり推測しながら理解する余裕はありませんし、トピックごとの知識がなければ聴き取れません。子どもでも知っているような一般常識を英語でも積み上げましょう。
・「教養的知識」を知らないと聴き取れない
大人らしく意見を交わして深い話をする場面では、「教養的知識」がないと聴き取れません。専門的な知識とまではいかなくても、新聞やトークショーで目にした意見や事実をもとに人は会話します。子どもですら、学校の調べ学習や読んだ伝記やYoutubeで見た内容をもとに会話をするわけで、教養的知識によって人は長い話をするわけです。インタビューやドキュメンタリーや、映画など上級レベルのリスニングができるようにするために、こうした教養的知識への探求心を持っていましょう。
・「ジョーク」の背景知識を知らないと聴き取れない
ネイティブスピーカー同士のジョークは、その文化で暮らす人なら誰もが知っているような知識をもとに話を広げて盛り上がります。それを知らないと聴き取れません。ネットニュースやゴシップをネタにしたり、昔はやったテレビ番組やCM、商品のキャッチコピーをパロディーにしたりします。そうした背景知識がないと、それがジョークなのかも分からないですし、何が面白いのかも分かりません。日本語を勉強している海外の方が、日本のお笑い番組を見てどれほど笑えるかを考えていただければ、難しさがよくわかると思います。
筆者自身は、古い映画やちょっと前のドラマシリーズを見たり、インタビューを聴くのが好きなので、それらの中で使われたフレーズを何十冊ものノートにメモしたり、何十というファイルにしたりスマホのメモにしたりしてきました。それを通勤電車の中で何度も読んで、機会を見つけてはそのフレーズをパロディーにしてよくジョークを言います。インプットした知識のどこかに使えるネタがあるからこそ、ジョークにできて、相手のジョークの意味も理解できるのだと改めて思います。
1-3. 「長い英語」のプレッシャーに慣れる
生の英語は長く、情報量も多いので、そのプレッシャーに慣れる必要があります。なぜ長く聞き取りにくくなるのか、3パターンがあります。
・質問が長い
生の会話は、教科書のダイアローグのようにシンプルなQAにならず、長い文の質問が頻発します。相手の発言の論点をまとめたうえで、疑問に思ったことや興味を持ったことを尋ねようとすると、自ずと質問は長くなります。聴き取れるようになるためには、そうした長く深い質問に慣れている必要があります。
・回答が長い
インタビューなどを聞いているとわかるかと思いますが、ちょっとした質問に対して、1分ぐらいずーっと話して答えていることがありますよね。教科書のように意味のまとまりごとにきれい区切って話すことはなく、思いつきで情報を足して話します。そうすると、少しでも分からないことがあると追いつけなくなってしまいます。部分ごとに正確に聴き取れるように、知識を総動員して聴く必要があります。
・内容が長い
スピーチやプレゼンテーションやドキュメンタリーは内容自体が長いので、一瞬一瞬は理解できたとしても、全体的な内容の聴き取りや理解はとても難しいです。音を聴くというレベルでなく、内容を理解するというレベルで聴き取れるようにするためには、情報量の多い長い英語に慣れていることは必須条件です。
2. 「ネイティブレベルのボキャブラリー」を聴き取れるようにするおすすめ教材&勉強法
ネイティブレベルにボキャブラリーをアップグレードするのが大事とお伝えしましたが、おすすめの教材があるので、ぜひ紹介したいと思います。また、それを使ってどう勉強すればいいのかも紹介します!
2-1. 『英検1級英単語大特訓』
『英検1級英単語大特訓』は、その名の通り、ボキャブラリーレベルに関して最高峰である英検1級レベルのボキャブラリー対策のバイブルです。
・同じ意味の単語を、簡単な単語から超上級の単語まで並べているので、レベルが分かりやすい
例えば、「大きい」という意味の単語を、入門レベルから超上級レベルまで並べてくれています。筆者自身も日常的に使うレベルの単語としては上級レベルくらいです。超上級レベルの単語には固執しなくても大丈夫ですが、ニュアンスを伝えるために、筆者自身普通に使うこともあるので、レベルに関係なくボキャブラリーは増やせるだけ増やすにこしたことはありません。
・コロケーションを示してくれるので、単語の使い方が分かりすぐ使える
どういう単語とセットで使うか(コロケーション)の例が挙げられているので、そのままフレーズとして使えばよく、安心感があります。
例えば、「とてつもなく巨大な」という意味のcolossalは、「colossal (statue, amount, building)」という風にコロケーションが示されています。
Colossalという単語は、もともと紀元前のギリシャのロドス島に建造されたと言われる巨像に由来します。それで、単語としても建造物に付くことが多いのですが、そうしたコロケーションが簡単なリストで分かるようになっています。
・類語でのまとめが豊富なので、グループごとにボキャブラリーを増やせる
とにかくたくさん類語が紹介されています。10段階ぐらいの表付きで紹介するメジャーなものだけでなく、2~3レベルだけどもよく使われる単語もかなり紹介されています。同じ要領で、単語だけでなくイディオムも意味グループごとに整理されているので、リファレンスとして最強です。
・第〇日という章立てなので、1日ごとに何度も読み返し脳に染み込ませる
難しいことを考えずに、とにかく一つの章を1日の中で何度も何度も読んで染み込ませてください。コロケーションを無意識レベルでできるくらいに、目と脳に焼き付けるイメージです。コロケーションの間違いは大きな違和感を与えます。例えば、「甚大な被害」とは言いますが、「莫大な被害」とは言いませんよね。単語単体で覚えるのでなく、何も考えずに「甚大な被害」と覚えるのが大切です。理屈抜きで、「こういうフレーズで使われているのを見た気がするから」となるくらいに読んでみてください。
・英語を使うときに、よりハイレベルな言い換えがないか参照する
英語で書くときなどに、自分で書けそうな英語を書いた後に、ハイレベルな単語に言い換えられないか参照してみてください。自分が書けそうな英語で書いている限りは、アップグレードできないので、意識的に、言い換えるようにするのが大事です。そうやって、日常的にワンランク上の英語を使うようにしていると、使ったことのある単語やイディオムが聴こえるようになります!
2-2. 『ビジネスパーソンのための英語イディオム辞典 』
ビジネスに特化して、しかもかなり汎用的に使われるイディオムの辞典です。メディアの記事などでもよく見かけるイディオムがたくさん載っています。
・ビジネス会話、映画・ドラマ、メディア記事で使われるイディオムが満載
ネイティブスピーカーとのビジネス会話や映画やドラマ、メディア記事などでよく使われるイディオムが満載です。上級者の定番のイディオムの覚え方は、「映画やドラマなどを見ながら、使えると思ったものを地道に集めていく」なのですが、根気が必要です。しかし、この本にはよく使われるイディオムがたくさん載っていて、こなれたイディオムに慣れることができます。
スピーチレベルも記載されていて、ビジネスで同僚相手に使うものなのか、新聞などメディア記事で使われるだけなのか、などが分かるので安心です。こうした感覚は、経験則で測るしかない面もあるので、使用場面の指針が示されているのは、かなり便利です。
・反義・類義のイディオムも紹介されているので、関連づけてイディオムを増やせる
反義・類義のイディオムも記載されているので、自然とイディオムを増やすことができます。また、一つのイディオムに対して複数の例文がついているので、イディオムを文の中でどう使えばいいのかが分かり、イディオムフレーズ単体でなく、他のイディオムとの比較や文の中でどう使われるのかの例によって、覚えやすくなっています。
・とにかく読んで書き写す
とにかく読んで、ノートやスマホのメモや暗記カードアプリに書き移してください。書き出しながらそのイディオムの使い方も理解できるようになります。日本人は英語的な品詞感覚が身に付かないので、イディオムを英語らしい文の中に落とし込むことが苦手です。とにかく読んで書いて脳に刻み込んでください。
・覚えたイディオムは無理やり使う
覚えたイディオムは使ってみないことには身に付きません。とにかく機会を見つけては無理やり使いましょう。相手に伝わらなかったり、使い方が間違っていると指摘されたりすることもあるかもしれませんが、そうすることで、精度を上げられます。
本来は、大量のメディア記事を読んだり、インタビューやレポートを聴いたりするという大量のインプットをすることで、圧倒的な経験値によって感覚が身に付くのですが、地道な作業になるので時間がかかります。ひとまずこの本を何度も読み書き写すだけでも、感覚が身に付きます。筆者自身は、ある程度英語が身についてからこの本に出会いましたが、見出しとなるイディオムだけでも2回はノートに書き写しました。そうやってインプットして、使える体制にしましょう。
2-3. 『National Geographic Traveler Japan – 』
英語版で日本の旅行ガイドブックを読んでみましょう。日本のことは分かっているので、書かれている内容は不思議なことにほとんど理解できるはずです。それによって、英単語の意味を自然と理解し覚えられます。日本ガイドの中でも、National Graphic Travelerは特にこなれた英語が多いので、とても勉強になるはずです。
・とにかくこなれた表現や言い回しの宝庫
とにかくこなれています。いかにも英語らしいと思える言い回しが多く、英語ではそうやって言うのかという発見が多いです。内容は、日本のことなので、すべて理解できるはずです。町や史跡の紹介も、日本語での定番の説明が、それが軒並みこなれた英語になっているので、とても参考になります。
・よく知っている日本について読むことで、内容でなく難単語に集中できる
内容は日本のことなので、知らない単語があっても意味が想像できます。たとえそれが難単語に分類されるものだとしても、ニュアンスを的確に表すにはその単語しかないわけで、文脈から自然と意味が推測できるので、難単語の習得に集中できます。
・勉強としてでなく読み物としておもしろい
勉強としてでなく、英語の読み物として単純におもしろいです。日本の文化や名所などのコラムも、かなり網羅的に取り上げていて、これまたこなれた英語で書いてあるので、あれをこう説明するのかという発見もあって、読んでいて楽しいはずです。
・自分の県、好きな県のページから徹底的に読む
何百ページにも渡って日本各地の案内が書かれているので、自分の県、好きな県のページから徹底的に読むのをお勧めします。まずは、自分が興味ある土地が、英語でどう説明されているのかを知るのはとても興味深いはずです。
・声に出して何度も何度も読む
読むだけでなく声に出すのが大事です。見たこともないような単語や表現は、目で見ているだけでは暗号にしか見えません。何度も声に出して読んでみてください。自分の口で発して自分の耳が聞いたというだけでも、確実に経験値は貯まります。
・自分の町や旅行先の説明に言い回しを使う
自己紹介や旅行の経験を説明するときに、ぜひ言い回しをコピーして使ってみてください。使ってみてはじめて自分のものになります。自分のボキャブラリーをアップデートして、新たに知ったフレーズを組み込むという経験を繰り返すことで使えるようになります。自分が使える英語は、聴き取ることもできるようになります。
3. 「背景知識」をインプットしてどんなトピックでも聴きとれるようにするための3つの教材と勉強法
「背景知識」を増やすには、本来、様々な素材に触れる地道な作業が必要になりますが、おすすめの教材・素材があります。勉強法も紹介するので、これらにぜひ取り組んでいただきたいと思います!
3-1. 『TOEFLテストリーディング問題270』
TOEFL対策本なので、大学の教養科目の授業についていけるだけの知識を身につけることを目指していて、背景知識増強におすすめです。しかも、あっさりした作りになっているので、勉強しやすいです。
・大学の教養科目レベルで、背景知識を抑えられる
様々な分野を網羅しているので、好きな分野や苦手な分野を特定しながら、背景知識を増やせます。好きな分野であれば、日本語でも背景知識が豊富なので、未知の単語でも意味が類推できます。一方、苦手な分野は、背景知識も少ないので読みにくく、知らない単語も多く、さっぱり頭に入って来ない場合もあるかもしれませんが、語彙強化のブルーオーシャンと考えましょう。
・あっさりしているので、ざっと知識を抑えられる
何よりも良いところは、あっさりした作りになっているので、余計なことを考えずに、様々な分野の知識をざっと抑えることができる点です。シンプルな構成の本なので、単に、一般常識を補強するつもりで軽く取り組むのが一番です。幅広い分野の英語に触れるという点に集中して、シンプルに英文・設問→日本語訳→解説という流れでさくさく勉強していくと、一つでも多くの分野に触れることができます。
・とにかく読む
余計なことは考えず、一つでも多くパッセージを読んでみてください。ものすごく高度に専門的な内容を扱っているわけではないので読みやすいです。とにかく様々な分野に触れて、その分野特有の単語に慣れてください。
・知らない単語はとにかくマーク
知らない単語に出会ったら、マーカーで線を引いたりしてはっきりと目立つようにしてください。単語を覚えられるかどうかは、単語に対する経験値に依ります。
Q:単語はどうしたら覚えられますか。
A:単語は、見たり聞いたりしたという経験値を貯めていき、臨界点に達したときに、記憶に格納されます。一回で覚えられるものもあれば、百回見ても覚えられないものもあるかもしれません。何らかの形で経験値を貯められるようにしてみてください。単語帳アプリに登録する、ノートに書き出すなど、いろいろ方法はありますし、書籍教材であれば、線を引いたり、マークしたりしておくだけでも、嫌でも目に留まり経験値は溜まります。書籍版の教材の利点を生かして、どんどんマークして、記憶に刻みこんでください。
・形容詞・動詞中心に覚える
ボキャブラリーは、形容詞・動詞中心に覚えてください。好きな分野では、分野の内容に関わる単語は大丈夫だと思うので、形容詞や動詞中心にボキャブラリーを増やすことに集中してみてください。
Q:単語は何から覚えればいいですか。
A: 上級レベルのリスニングでは、汎用的な形容詞・動詞中心に覚えてください。筆者の個人的印象では、日本人は名詞中心に語彙を増やそうとする傾向があるように思います。しかし、汎用的な英語力を上げるには、形容詞や動詞を圧倒的に増やさないと、多くの場面で対応できません。苦手分野の名詞に固執せずに、積極的に好きな分野の英文をもとに汎用的な形容詞・動詞も増やしてください。
3-2. Wikipedia
Wikipediaは、量の多少はあるにしても、ありとあらゆる情報を一か所で多言語で得られるという、言語学習者にとっては、夢のような情報の宝庫です。これを活用して、背景知識を増強しましょう。
・日→英で切り替えられるので、単語を覚えやすい
Wikipediaは多言語に対応している記事では、言語を切り替えて同じ内容を読むことができます。言ってみれば、無料の対訳本教材と言えます。これを利用して、単語を覚えるのがおすすめです。日本語で先に読んでから英語で読んでみてください。内容は分かっているので、単語の意味がコンテクストの中で類推しやすく、自然に覚えられるはずです。
筆者自身は、これまで英語以外のヨーロッパの諸言語やアジアの言語をいろいろと勉強してきましたが、ある程度の単語と文法を抑えたあとは、せっせとWikipediaでリーディングしていました。特に、フランス語は日英仏語で多くの記事が存在するので、たいていの興味あることはWikipediaで読むことができました。英語では、サッカーが好きなので、選手の記事を読んで「圧倒的な決定力」「類い稀なるゴールへの嗅覚」という意味のフレーズを集めたりしました。
・マニアックな情報も多いので、広く深い知識が得られる
とにかくマニアックな内容で情報量豊富な記事が多く、しかもそれらが日英で読めるわけなので、広く深い知識が得られます。自分の興味ある分野について調べると、たとえマニアックな内容であっても記事化されていて、驚きますよね。そして、その説明内容がこれまた仔細でまた驚かされることがありますよね。背景知識を増やすために、百科事典を1ページ目から読むのは非現実的ですが、Wikipediaは縦横無尽に知識を増やす最強ツールと言えます。
・日本語で読んでから、英語で読む
日本語で読んで内容を理解した後に、言語を英語に切り替えて読んでください。日本語で読んでおけば、英語に切り替えたときに、単語の意味の類推がしやすくなります。背景知識を増強しようと、いきなり英語の文に取り組むと、知らない単語が多すぎてモチベーションが下がります。そうではなくて、まず日本語で読んでから、英語に切り替えてみてください。
・興味のある分野から、読んで読んで読みまくる
興味のある分野であれば読んでいて楽しいはずなので、まずは知りたいと思う分野の記事を、読んで読んで読みまくってください。ある分野特有の頻出語句は、その分野の記事を読んでいれば何度も出てくるので、覚えようとしなくても自然に覚えられます。同じ分野の関連記事を3~5つほど読めば、知らない単語はかなり減るはずです。
3-3. MsMojo
これはニュース記事を使った勉強法と同じです。様々な分野の記事をバラバラに読むのでなく、ある特定のニュースの関連記事を3~5つほど続けて読むと、ほぼ同じ単語の繰り返しになるので、自然に覚えられるのと同じです。
チャンネル登録者500万人、動画投稿数6000本以上を誇る、エンタメ系のYoutubeチャンネルです。映画やドラマシリーズ、セレブに関する短めのまとめ動画が日々投稿されていて、ネイティブスピーカーとの日常会話や、インタビューの理解に必須のエンタメ系の知識を増やすのに最適です。
・とにかく投稿数が多い
MsMojoは日々最新動画が投稿されていて、動画の数がとにかく多いです。それもあって、何かしら、自分が知っていそうな内容を取り上げた動画に出会えるはずです。また、どれも15分前後で短すぎず長すぎずなので、どんどん見ることができます。
・ジョークの元ネタが分かる
人気ドラマシリーズやトークショーのまとめ系の動画が多いので、ジョークの元ネタが分かります。日本語を勉強する海外出身の方が、日本人同士の会話で決まって出てくるようなテレビ番組やCMの話を理解するのに苦労するのと同じなので、英語圏の定番エンタメを知ることができるのは、かなり助けになります。
・少しでも知っているものから見る
動画リストを見渡して、少しでも知っている映画やセレブについての動画からまずは見てみてください。わずかでも知識があれば、理解できることも少しはあるかもしれません。そうした取っ掛かりをもとに、少しずつ定番フレーズが聴きとれるようになってくるはずです。
・ひとつを繰り返し見る
一回ではよく分からない動画も、何度も見てみると、聴きとれるものが増えます。一度に繰り返し見てもいいですが、おすすめの方法があります。一度に繰り返し見るのでなく、他の動画を見たりしながら、定期的に何度も見るという方法です。他の動画を見ることで、単語やフレーズが増えるので、それをもってもう一度見直すと、以前は聴き取れなかったのが聴き取れるようになります。
・ランダムに見てみる
知識を増やすためには、ときにはランダムに見るのもおすすめです。自分がまったく知らないけれどアメリカ本国では知らない人はいないセレブや作品に触れることで、確実に背景知識の幅が広がります。「○○の名シーンベスト10」や「○○の恐ろしい真実ベスト10」というタイプの動画が山ほどあるので、何となく興味を引かれた動画をランダムに見てください。
4. 「長い英語」を聴き取れるようにするためにトライすべき3つのリスニング生素材と勉強法
生の英語は、「質問が長い」「回答が長い」「内容が長い」の三拍子がそろった「長い英語」です。普段からハードルの高い生々しい英語を聴く訓練を積むのが上級リスニングの難しいところです。そのための最高の教材があるので、どう勉強すればいいのかと合わせてご紹介します!
4-1. NPR
NPRは、アメリカの国営ラジオ放送です。多くの番組がポッドキャストとして公開されていて、リスニング学習に非常に便利です。ニュースから、経済から音楽、インタビューに至るまで様々なジャンルの番組があって、おすすめです。
・幅広いジャンルの番組がある
ジャンルが幅広いので、自分の興味にそった番組がきっとあるはずです。その中の特におすすめの定番番組を4つご紹介します。
- Fresh Air:各界の大物から一流の専門家、ミュージシャンまで、様々なトピックの深く濃い内容のインタビューです。
- All Things Considered:All Things Consideredという番組名の通り、新聞の一面からテレビ欄までのようなあらゆるトピックのニュースやレポート、インタビューです。
- Life Kit:新聞で言うところの「生活家庭面」のイメージです。日常的過ぎて知らない単語などに多く出会えます。
- Planet Money:経済やビジネスのトピック中心です。ビジネス系でも難しすぎずに、話題となっているトピックのレポートやインタビューがあります。
・スクリプトがついている
多くの番組で、書き起こしスクリプトがついています。リスニングの勉強に、スクリプトは必須です。何と言っているか分からないものを聴いていても、あまり意味はないので、スクリプトがあり、文字で内容を確認できる素材であることが必須です。
どの番組でも、ホストの質問の仕方がとても参考になります。分かりやすく論点をまとめつつさらなる説明を求めたり、相手の本音を引き出したり、興味深いエピソードを聴き出したり、問題の核心となるところで議論したり、とにかくすごいです。その意味で、多くのレポートやインタビューでスクリプトがついているので、確認したり、フレーズをコピペしたりするのに便利です。
・気に入ったフレーズは、使って試す
気に入った言い回しやフレーズがあれば、聴くだけでなく、使いましょう。インタビュー内の生々しい表現は、そのまま生のコミュニケーションでも登場するので、使うことでその表現に対する経験値を高めて、アウトプットとインプット両面で使えるようになります。特に、インタビューでの質問フレーズはどんどんコピペして覚えることをおすすめします。筆者自身は、気に入ったフレーズをメモアプリにどんどんコピペして、時間があるときに何度も何度も読み返して、使えそうなときにどんどん使って身につけました。
・気に入ったインタビューは、何度も聴く
気に入ったインタビューがあったら、何度も飽きるまで聴きましょう。何度も聴いていると、「あのインタビューのこういう場面でこういうフレーズを使っていた」というように、コンテクストも含めて、記憶に残ります。単語やフレーズを覚えるには、機械的な暗記だけでなく、コンテクストのある記憶が大事です。そうやって自分の血肉としてはじめて、聴き取ることもできるようになります。
4-2. Scientific American
1845年創刊のアメリカ最古の科学雑誌で、その重厚な歴史に似合わず、ポッドキャストが科学系のリスニング勉強素材として最強です。科学誌ならではの専門性と、時代に沿ったポップさを兼ね備えたポッドキャストなので、ぜひ聴いていただきたいです!
・10分前後でポップな雰囲気なので聴きやすい
ポッドキャストはどれも10分前後で、しかも科学専門雑誌に似合わず、雰囲気はポップなので、とても聴きやすいです。専門家とのやり取りも若い世代も多いので、とてもリラックスした会話を繰り広げています。とても自然な会話表現で反応をするので、自然なやり取りのリスニングのとてもいい練習になります。
・サイエンスに関するトピックなら何でもある
サイエンスに関わることは、宇宙から医療、テクノロジーまで、とにかく幅広く何でもあります。様々な論点を取り上げて議論しているので、ボキャブラリーの面でも、内容の面でも、長さの面でも、それらを追っていくリスニング力を身につけることができます。また、リスニングの勉強に必須のスクリプトもついているので安心です。また、ポッドキャスト音声のダウンロードも可能です。科学的な内容だと、具体的な名称や専門用語も多く出てくるので、スクリプトを確認しながらの勉強ができます。
・徹底的にシャドーイングする
シャドーイングするのにとてもよい素材なので、徹底的にシャドーイングしてみてください。科学雑誌のポッドキャストですが、決して一方的な解説になっていなくて、インタビューを通してホストと一緒に理解していくことができます。質問やそれに対する回答のイントネーションが割とカジュアル寄りの雰囲気なので、堅い内容であってもカチッとしすぎない長い英語のフレーズやイントネーションを、身体で覚えられるはずです。
・フレーズはコピペして覚える
インタビュアーの自然な反応もとても参考になるので、使えそう!と思ったフレーズはどんどんコピペして覚えましょう。ある程度英語を話せるようになると、自分の話はできます。しかし、相手の発言内容に対して、カジュアルからフォーマルまでTPOに併せて、即座に自然な反応を返すのは難しいです。気の利いた反応や質問ができず、不完全燃焼になることが多いという方は、役立つフレーズを身に着け、聴き取れるようにもしていきましょう。
4-3. DW Documentary
チャンネル登録者500万人、投稿動画数1000本を超える、Youtubeでも最大規模のドキュメンタリーチャンネルです。かなり濃い内容のドキュメンタリーを数多く投稿しています。長さは15分程度のものから、1時間半を超えるものまで、内容は安全保障から歴史、科学に至るまで多岐に渡り、かなり耳と頭を鍛えられます。
・内容がとにかく濃い
世界中のありとあらゆるトピックをカバーしていて、内容がとにかく濃いです。英語でグローバルに放送しているドイツのチャンネルということもあり、ヨーロッパにとどまらずアジア、アフリカを含めた、ありとあらゆるトピックをカバーしています。様々な国の現場を取材していて、トピックへの掘り下げも深く、世の中を深く知ることができます。そのため、「背景知識がないと聴き取れない」と、「長い文を聴き取れない」という上級リスニングの課題が如実に分かるはずです。
・英語は速すぎず聴き取りやすい
リスニングという意味では、速すぎないので聴き取りやすいです。ニュースの英語のようにまくしたてないので、じっくり聞けば聴きとれます。時事英語と言うと、ニュース英語に行きがちですが、ドキュメンタリーはじっくり時間をかけて一つのトピックを掘り下げるので、内容を追いやすく聴きやすいのが特徴で、おすすめです。
・興味あるトピックから見る
まずは興味があるトピックから見るのがおすすめです。背景知識が少しでもあるほうが聴き取りやすいので、もともと興味があるトピックから見てみましょう。その際は、Youtubeの字幕機能など積極的に使ってみてください。
知らない単語が多かったり、スピードが速くて聴き取れなかったりして、聞き取れない部分もあるかもしれませんが、気に入った動画は繰り返し見て少しずつ理解してみてください。「今まで聞き取れなかったけど、あの単語はそういう意味だったのか!」と分かると、意味が分からなかった他の箇所もパズルのように分かっていきます。
・インプット→見る→インプット→…を繰り返す
「予備知識をインプットしてから見る。知らなかったことは見た後にインプットする。」これを繰り返しましょう。通訳者・翻訳者など、英語の上級レベルに達した英語の達人は、リサーチの達人でもあります。あらゆるトピックに対してアンテナを張り、知らなったことや疑問に思ったことは自ら調べて、次の機会に生かす。そうやって、対応できる英語の幅を広げていきましょう。
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