最近では「無礼講」といった会社での上下関係を無視したコミュニケーションの機会というのも減っていると聞きます。そもそも「無礼講」とはいっても実際には上下関係が残ったまま、というのも本当のところかもしれません。
比較的上下関係を意識しない組織であっても、やはり意思決定権を持つ人に自分の意見を自由に言える機会というのは限られています。出張先で普段では一緒にならない会社の偉い人と一緒にお酒を飲む、そしてその場で少しだけ普段以上に素直に意見を言える、ということがあるとそのチャンスを利用しようとするのは日本もアメリカも、他の国の文化も同じです。
そんな中で自分の意見を言ったところ、意思決定権を持つ人からすぐに「それはダメだ」と頭ごなしに言われてしまっているシーンを目にすることがありました。それでも一生懸命に自分の意見を主張してわかってもらおうとするのですが、上に立つ人はかなり強い信念を持っているようで、聞き入れてくれません。結局話は平行線で終わってしまい、15分くらいの会話の後、別の話に移ってしまいました。ところが、45分くらい経った時のことでしょうか。上に立つ人が「さっきは頭ごなしにあなたの言うことを否定してしまったけど、こんな背景があるんだ」と落ち着いて追加の説明をしたのです。その説明で部下が納得したわけではないですが、自分の知らない世界の様子も少しわかることができたようでした。そして何より、上司側から歩み寄って再度、部下の話を持ち出したことで、最終的に部下の意見は通らなかったのですが、また次に似た機会があればきっと自由に意見を言えるようになったと思います。もしも話が持ち出されなかったら、この部下の人は似た機会があっても意見を言うのをためらってしまうのではないでしょうか。
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