【異文化間コミュニケーション10のヒント】Vol.6 NOの言い方
NOの言い方
日本人が犯しやすい異文化間コミュニケーションのミスを解説する【異文化間コミュニケーション10のヒント】今回は6回目です。
効果的な”NO”の言い方
海外赴任した日本人が海外オフィスに到着すると、最初に学ぶことの1つに「いかにNoというか」ということがあります。
国内では何となくNoといえば、そのメッセージが相手に伝わり、あまりはっきりとNoというと相手の気分を損ね、それ以降の人間関係が難しくなることもあります。しかし異文化では必ずしもそうとは限りません。ぶっきらぼうにただNoと言ったり、理由もなくNoというのではマイナスですが、Noとはっきり言った後に、「その理由はね……」と自分の考えをきちんと伝えれば、相手はこちらのことを「自分の意見をはっきりと伝える信頼できる人」と思ってくれるでしょう。
今回の回答はNoかもしれませんが、別の案件では色々と考えてYesといってくれるかもしれない、という期待も持ってもらえるでしょうし、何よりきちんと考えて意見をはっきりと述べる能力のある人、という風に評価されることは、非常に重要です。
まったく意見の合わない会議に参加して交渉決裂になっているのに、会議が終われば和やかになる、というシーンを何度もみました。逆に、険悪な雰囲気のままである事もあります。違いは相手にこちら側の真摯な姿勢が伝わるかどうか。決して相手個人を否定しているのではないことを、相手に伝えましょう。
“NO”を伝えるときの英語表現
Noを言うにも、いろいろな言い方があります。時には強い姿勢を示すのも大切でしょう。
- This proposal is unacceptable. / This proposal is not acceptable.
- We are unable to accept this plan. / We are not able to accept this plan.
Notという単語を使うか、使わないかでもずいぶんと感じ方が変わるものです。しかしただNoとだけ言っては、相手の気分を損ねることもあります。
- I regret, but…
- I must regrettably say no, because…
- I am sorry to say this, but…
- Unfortunately…
- I am afraid…
これらの表現は、明確なNoを伝えると同時に、相手への思いやりを感じさせるものです。またNoと言ったあとには、because…できるだけ理由を述べましょう。また代替案を提示するのも1つの手段です。
- Although we cannot accept Plan A, we are ready to discuss the potential of Plan B.
- What about Plan B? Does it seem like a good plan to you?
“NO”はより良い関係構築のためのチャンス
いつもYesというからビジネス関係が順調に行くわけではありません。時にはNoと言った後の対応がよかったからこそ、より良好な関係を築くこともできます。通訳者としてはオリジナルスピーカーの意図をそのまま訳すしかありませんが、休憩時間にそっとアドバイスを差し上げたり、自分で話をする際にはNoと言うときこそ、良好な人間関係を構築する機会として考えています。
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