【異文化間コミュニケーション10のヒント】Vol.3 英語圏でもアメリカとイギリスでは大きな違い
英語圏でもアメリカとイギリスでは大きな違い
日本人が犯しやすい異文化間コミュニケーションのミスを解説する【異文化間コミュニケーション10のヒント】今回は3回目です。
同じ英語圏の落とし穴
同じ言葉を喋るからといって、文化も同じとは限りません。
日本国内でも、都市部と山間部、もしくは東北地方と九州地方では文化的差異が見られるように、アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの間には大きな違いがあります。
例えば”A rolling stone gathers no moss”という諺があります。常に上を目指して転職を重ね、あちらこちらに引っ越すアメリカ人にとって、この諺は「動き続ければコケのような邪魔なものは身につかない」という風に、動き続けることの価値を説明する諺として使います。
逆に日本と似て、伝統や我慢強さをアメリカより重視する傾向にあるイギリスでは、「動いてばかりいると何も身につかない」という風に、日本の「転石苔を生ぜず」に似た解釈をします。
アメリカ人と仕事を重ねると、”Hey Mike, how’re you doing?”という風に、気軽に呼び合う習慣を身に着けがちです。しかし相手によってはそのようなカジュアルな関係を好まない人もいます。全体的な傾向としては、イギリス人のほうが打ち解けるのに時間がかかるようです。
アメリカの影響を受けがちな日本人ですが、他の文化にも十分に気を払うことが必要です。
イギリスとアメリカ:単語の違い
よく日本でも話題になりますが、アメリカとイギリスでは同じ英語でもスペルや単語に違いがあります。
最近では多くのビジネスマンがどちらの表現を使っても理解してくれますが、片方だけになれていると、思わぬシーンで相手の言いたいことがわからなくなることもあります。
イギリス英語 vs. アメリカ英語です。
- Trousers vs. Pants (ズボン)
- Nappy vs. Diaper (おむつ)
- Public School vs. Private School (私立学校)
- State School vs. Public School (公立学校)
- Motorway vs. Freeway (高速道路)
- Petrol vs. Gas (ガソリン)
- Bill vs. Check (お勘定)
- Bonnet vs. Hood (ボンネット)
以上のような単語レベルでの違いはよく知られていますし、Ground FloorとFirst Floorの定義の違いもご存じかもしれません。
また、時間の15分過ぎはイギリスでQuarter Pastなのに対し、アメリカではQuarter After(もしくはA quarter past)です。
イギリスとアメリカ:表現の違い
またイギリス人のほうが丁寧な表現を使う傾向にあります。
- Can you send me the document when you have a chance?
- Could you send me the document?
- Would you be kind enough to send me the document, please?
ここには3つの例だけを挙げていますが、1つ目はとてもアメリカ的です。カジュアルにCan youという表現を使うだけではなく、When you have a chanceというのはアメリカ人がよく好む表現です。I’ll do it when I feel like it.といたずらっぽい表情をして、冗談を持って返せれば、たいしたものです。
3つ目の例は、アメリカ人には似合わないほど(とは言っては偏見ですが)丁寧な表現。しかしヨーロッパの代表者が口にしても驚くことではありません。
重要なのはコミュニケーションをとる気持ち
通訳者はネイティブスピーカーのような流暢な英語を話す、と想像されがちですが、実際にはすべての通訳者が発音に自信があるわけではありません。あまりにアメリカ発音が強いと、ヨーロッパの代表者の顰蹙を買うことも。重要なのはアクセントではなく、コミュニケーションをとる気持ちです。
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