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TOEICに頼らないビジネス英語力の測定方法

2022.06.27

update 2024.07.17

1. 英語力効果測定のテストを選ぶのは難しい

英語研修を実施している企業のご担当者の方から、「効果測定にはどのテストを使えばよいか」と相談を受けることが多くあります。
様々な特徴を持った異なる英語測定テストがあり、調べれば調べるほど何を選べばよいかわからなくなる、といったケースがよく聞かれます。

今回は企業で社員の英語力の効果測定方法を選定する際に気を付けるべき点や意識すべき点について解説します。

2. 英語力テスト選定時に気を付けるべきポイント

2.1 研修の目的とテストの内容は合っているか?

英語力の効果測定で用いるテストを検討する際に意識する最も重要なポイントは「研修の目的は何か?」ということです。

もちろん「英語力を伸ばすこと」であるのは間違いないのですが、例えば

  • 英語で話すことに慣れること
  • 単語、文法など基礎力をしっかり身に着けること
  • 英文メールでやりとりができるようになること
  • 海外クライアントにプレゼンテーションができるようになること
  • 外国籍社員と社内コミュニケーションが取れるようになること
  • 海外本社とのグローバル会議で発言し存在感を示せるようになること

といったように、「研修後にあるべき受講生の姿」をイメージし、もう一歩踏み込んだより具体的な目的を意識することが必要です。

2.2 テストで測っているのは本当に英語力だけ?

特にライティングやスピーキングの測定に顕著なのですが、実はどのテストを選んでも純粋に英語力”だけ”を測ることはできません。
例えば設問が「英語で交渉やプレゼンテーションをしてください」というような、受験者によっては”日本語でも”少し考えてしまう馴染みのないものであった場合、英語でうまく対応できないのは言わずもがなです。

他にも論理的思考力も問われる設問、教養を必要とするトピックなど、英語力測定のテストを選ぶ際には英語力以外の能力を問われていないかを注意する必要があります。

2.3 効果測定が持つインパクトを理解する

会社が提供する英語研修を受けている人は、研修担当者が考える以上に「テストの結果」を意識しています。そのため、研修担当者が本来実現したかった研修の目的に反し、受講者の頭の中に無意識に「テストで高いスコアをとる」という目的が形成されてしまう可能性があります。

企業で最も使われているTOEICⓇは、高得点を取るための傾向と対策を解説する書籍やウェブサイトがあふれており、独学でも高いスコアを取ることが可能です。そのため、TOEICⓇを効果測定に使用すると場合によっては
「本来の研修内容とは無関係にとにかく高いスコアを取るための勉強に走る」
また、逆に
「研修内容とTOEICⓇの関連性の低さに研修に対するモチベーションが下がる」
といった意図しないデメリットが生じてしまう場合があるため注意が必要です。

3. 英語力効果測定の設計に向けて

3.1 英語力テストによってどんな違いがあるか

試験時間、価格、受験方法、4技能のうちどの技能を測れるのかといった表面的な点ではなく、どのテストを検討する際にも見ておくべき、テストそのものの「性質」についてどのような違いがあるかについて解説します。

■ 英語のインプットスキルを測定するテスト

リスニング・リーディングといった「インプットスキル」を測るテストは、単語力など英語の知識量と、内容を的確につかむ理解力が問われます。しかし、単語力はあっても英語を話すことはできない、何となくの内容は理解できるが細かな理解はおぼつかないということが多いので、英語のコミュニケーション能力が本当にあるのか見極める必要が生じます。

■ 英語のアウトプットスキルを測定するテスト

ライティング・スピーキングといった「アウトプットスキル」を測るテストに関しては、書いたり話したりする内容を瞬時に思いつくかどうかという側面もあるため、英語力のスキルの問題なのかコミュニケーションスキルの問題なのかがぼやける可能性があります。
また、テストによっては、受験者にとって簡単すぎる/難しすぎる場合もあるので、スコアとスキルにミスマッチが起きる場合があるため注意が必要です。

■ 英語力テストの傾向

  1. ビジネス寄り(仕事に関するコミュニケーション力を問う)
  2. 日常会話・一般的トピック寄り(知識や経験によらず英語として正しく対応できる力を問う)
  3. アカデミック寄り(答えのないトピックに対する意見・考えを問う)

と大きく3つに分けられます。

さらにビジネス寄りのテストでは、前述したように英語でメールを書く、英語で交渉するといったような特定のシチュエーションが設定されている場合があるため、研修担当者は実際にテストを受けてみるなどして、出題内容をしっかりと見ておく必要があります。

■ テストの頻度

試験日程が定められていて、受験会場で一斉受験するタイプと、オンラインで随時受験可能なタイプなど、テスト実施の頻度にも違いがあります。そのため、テスト対策の学習計画にも工夫が必要になります。
試験日程が決まっているテストの場合は、日程から逆算した学習計画を立てて効率的に対策する必要があります。一方、随時受験可能なテストでは、いつでも受けられるという受験のしやすさから、単に受験を繰り返すだけになってしまうことがあります。受験ごとに、しっかりと振り返りをして、的を絞った対策が必要です。

3.2 テスト以外での英語力測定を検討する

テストを実施することだけが効果測定の方法ではありません。
企業で実施する英語研修の究極的なゴールは、「研修で培った英語力を実際の仕事に活かすこと」であるため

  • 英文メールコンテスト
  • スピーチコンテスト
  • プレゼン大会
  • ディベート大会
  • Self evaluation(自己評価)やPeer evaluation(上司・同僚の評価)

といったように受講者の職場や業務に落とし込んで成果を測定する、つまりどれだけ仕事で活かせる英語力かというのを測定するのは非常に効果的です。

また、上記の測定方法はいずれも「一人で完結せず、複数人が関与することで効果を測定する」というテストになっています。
英語はあくまでコミュニケーションのツールであり、また他者と関わり合いながら進めていくのが仕事であるといった点から、特に企業でのビジネス英語力を測定するには実践的な方法であるといえるでしょう。

4. まとめ

テンナイン・コミュニケーションでは、社員のビジネスで使える英語力の効果測定についてカウンセリングを行っています。

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現在実施している英語研修の成果が十分出ているのかわからない、これから英語研修を設計する上で効果測定について悩んでいるという方はぜひ一度ご相談ください。

これまで様々な業界の企業に実施してきた知見を活かし、御社に最適な効果測定、あるいは英語研修の設計をご提案いたします。

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